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2026年6月1日更新
| 修了年度 | 2025年度 |
|---|---|
| 修士論文題目 | 中国人日本語学習者の「名詞+動詞」型 コロケーション知識の習得 ―習熟度と頻度に注目して― |
| 要旨 (1000字程度) |
語彙知識は第二言語コミュニケーションの基盤であるが、受容知識と産出知識の間にはギャップが生じやすく、コロケーションはその典型である。特に「名詞+動詞」型は頻出である一方、学習者にとって習得が難しいことが指摘されてきた。しかし、日本語コロケーションを対象に受容・産出差そのものを検証した研究は十分ではない。そこで本研究は、中国人日本語学習者(CJL)を対象に、「名詞+動詞」型コロケーションの受容・産出差が(1)習熟度、(2)コロケーション頻度によって異なるかを明らかにすることを目的とした。 協力者は日本国内の日本語教育機関に在籍する中国人学習者50名で、SPOT90得点により上位群・下位群に区分した。産出は母語提示の翻訳テスト、受容は適切性判断テストで測定し、各45項目(低・中・高頻度各15)を用いた。項目は名詞・動詞とも旧JLPT2級以下、MIスコア7以上の結合を抽出し、頻度はNLTコーパス出現回数で操作した。受容・産出差は産出/受容比率で算出し、混合計画二要因分散分析とBonferroni法による事後比較を行った。 結果として、受容・産出差に対して有意であったのは頻度の主効果のみで、習熟度の主効果および交互作用は有意ではなかった。事後比較では低頻度と中・高頻度の間で有意差が確認された一方、中頻度と高頻度の間では有意差が得られなかった。低頻度帯でギャップが大きい背景として、接触機会の少なさによる想起困難や練習機会の不足が考えられる。また中・高頻度で差が出にくかった点は、コーパス頻度が学習者の実際接触量を必ずしも精密に反映しない可能性を示唆する。 以上より、本研究はCJLの「名詞+動詞」型コロケーションにおいて、受容・産出差が頻度によって有意に異なり、特に低頻度帯で拡大しやすいことを示した。一方、習熟度差が確認されなかった点については、習熟度レンジの限定、翻訳形式による母語手がかり、採点の非対称性などの影響が想定される。今後は画像記述等の産出課題を導入し、より広い習熟度範囲で再検証する必要がある。 |