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2026年6月1日更新
| 修了年度 | 2025年度 |
|---|---|
| 修士論文題目 | 概念メタファー理論に基づく中国人日本語学習者のメタフォリカル・コンピテンスに関する考察―母語の影響と習熟度に着目して― |
| 要旨 (1000字程度) |
メタファーは言語の背後にある人々の概念体系を反映しており、言語運用においては重要な機能を担っている。概念メタファー理論が提唱されて以来、メタフォリカル·コンピテンス(metaphoric competence,以下はMC)の重要性が次第に強く認識されるようになってきた。また、メタファーは文化的な要素が密接に関わっている。日中両言語間で概念メタファーにおける様々な異同がある。このような異同は、中国人日本語学習者(CJL)のMCに影響を与えると予想される。さらに、目標言語の使用と母語の影響が習熟度によって異なるため、習熟度によるMCの変化も検討する必要がある。そこで、本研究は概念メタファー理論に基づき、中上級CJLを対象とし、そのMCと日本語母語話者(NS)のMCは異なるか、及び M Cの発達における母語と日本語の習熟度の影響を明らかにすることを目的とする。 本研究の研究課題は次の通りである。RQ1:中上級CJLとNSのMCは異なるか。RQ2:CJLのMCに影響を与える要因は何か。RQ2.1:母語との対応関係によって影響が見られるか。RQ2.2:日本語の習熟度によって影響が見られるか。 研究方法として、まず日中両言語で概念メタファーとメタファー表現が共有するかどうかという概念・言語の特徴により、3種類のメタファー(①概念共有・言語共有②概念共有・言語非共有③概念非共有・言語共有)、合計30個を選定し、調査文を作成した。CJL40人(SPOTで上位群と下位群に分け)及びNS21人を対象に、メタファーの識別能力と理解能力を測定するMCテストを実施した。特に理解テストは2つの概念間の写像がどの程度行われているかをもとに理解能力を評価した。研究課題ごとに識別成功率と理解平均得点を算出し、記述統計及び2要因分散分析を行った。 本研究の結果として、まず、CJLとNSのMC有意な差は認められなかった。また、MC に影響を与える要因としては、母語との対応関係及び日本語習熟度はいずれもCJLのMCに影響を及ぼす要素であり、中でも、母語との対応関係による影響は、日本語習熟度と比較してより大きいことが明らかとなった。その一方で、これら2要因間の交互作用は有意ではなかった。 今後の研究として、母語背景や学習状況の異なる,やり多様な対象者を含めた研究が期待される。さらに、メタファーの産出能力、産出速度・密度などの多次元的側面は評価を含めた調査する必要がある。 |