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2019年6月5日更新
修了年度 | 2018年度 |
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修士論文題目 | 日本人配偶者を持つ在日台湾人女性の夫婦間の ストレスイベントと対処行動との関連 |
要旨 (1000字以内) |
近年、日本社会のグローバル化により、日本人男性と結婚した在日外国人女性に関する研究が増え、それら先行研究によって彼女たちが日本での生活で抱えるさまざまな困難、不安、悩みなどが明らかになってきた。中でも日本人の配偶者を持ち日本で暮らす台湾人の数は 2017 年時点で約 4 千 2 百人いる(法務省統計局,2017)。一方で、日本人配偶者を持つ在日台湾人女性の、特に夫婦間においてのストレスイベントと、それに対する対処行動の研究についてはまだなされていないことが明らかとなった。 研究課題 1 では、夫婦間のストレスイベントを明らかにするために因子分析を行った結果、 「夫婦関係維持の難しさ」「 疎外的な態度」「 家庭内役割分離」「 義理の家族の分離」「 家事への非協力」の 5 因子が抽出された。 研究課題 3 では、夫婦間のストレスイベント及び属性と対処行動との関連を検討するため、対処行動を基準変数、ストレスイベント及び属性を説明変数とした重回帰分析を行い、その結果、対処行動の「第三者介入」には、ストレスイベントの「疎外的態度」が正の影響を及ぼし、 「家事への非協力」が負の影響を及ぼしていることが明らかになった。また「対決」には、属性の「台湾人との交流頻度」が正の影響を及ぼし、ストレスイベントの「夫婦関係維持の難しさ」が正の影響を及ぼす傾向にあることが明らかになった。 「対話」には、属性の「夫の学歴」が正の影響を及ぼしていた。 「回避」には、ストレスイベント及び属性と対処行動との間に有意な関連が示されなかった。「放置」には、属性の「日本語能力」、「結婚期間」が正の影響を及ぼす傾向にあることが明らかになった。 |