『料理物語』(寛永20年、1643)
「煎酒は、鰹一升に、梅干十五・廿入れ、古酒二升、水ちと、溜(たまりしょうゆ)少し入れ、一升に煎じ漉し、冷して良し。また酒二升、水一升入れ、二升に煎じ使ふ人もあり」
(第八・生垂れ(なまだれ)・だしの部)
霜降(鯛の切り身を熱湯にくぐらせ、冷水で冷やしたもの)、掻鯛(かきだい)、生鰹(なまがつお)、鯒(こち)、鰆(さわら)、鯉(こい)、鮒(ふな)、鮎(あゆ)の項に、「煎酒よし」などと見える。 (第十一・指身の部) |
『養生訓(ようじょうくん)』(正徳2年、1712)
儒学者・貝原益軒(1630 - 1714)著
「脾虚の人(胃腸の調子が悪い人)は生魚をあぶりて食するに宜し。煮たるよりつかえず。小魚は煮て食するに宜し。大なる生魚はあぶりて食ひ、或は煎酒を熱くして、生薑(しょうが)わさびなど加へ、浸し食すれば害なし」 (巻三) |