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足立眞理子 (ADACHI Mariko)

所属・職位・研究室

  • 人間文化創成科学研究科教授
  • ジェンダー研究センター長
  • 人間文化創成科学研究科・全学共用研究棟2階 ジェンダー研究センター208

担当科目

【ジェンダー政治経済学】

本講座では、ロバート・ギルピン(Robert Gilpin)が定義した「現代世界で『国家』と『市場』が並存して相互に影響を与えている状況において成立する政治経済学(ポリテイカル・エコノミー)」の問題群を検証し、そのジェンダー分析をおこなうことを目的としている。
そのために、国際政治経済の出現、拡大、機能を説明する、現在有力であるとみなされている三つの理論(二重構造論、近代世界システム論、覇権安定論)について学び、これらの理論に与件されているものをジェンダーの視点から考察する。
そこから、現代のグローバリゼーションにおける顕在化しつつある課題とは何かを把握していく。

研究テーマ

現在取り組んでいるテーマは大きく分けて三つあります。
第一は、経済理論の分野で、古典派経済学における経済人概念を検証し、経済学における主体subjectが「合理的個人」に置換される過程の問題を理論的に批判することです。
第二は現状分析の分野で、グローバリゼーションへのジェンダー分析に関するものです。ここでは、現代のグローバリゼーションの特質を、再生産領域のグローバル化の視点から把握していくことを目指しています。
第三は、世界資本主義の歴史分析として、植民地的近代とは何かを考察していくことです。このテーマは領域横断的で、現在は香料―石鹸の資料を収集しています。

近年の業績

  • 2005, 「グローバリゼーションへのフェミニスト分析−弛緩と越境―」木前利秋編『現代社会の諸相』御茶の水書房.
  • 2005, 「従属の取引」『現代思想』33-2, 青土社, 148-153頁.
  • 2004, 「グローバル資本主義=グローバリゼーションへのフェミニスト分析に向けて」 『アソシエ』13号, 御茶の水書房, 79-89頁.
  • 2004, 「クレオンの相貌−アンティゴネーと退蔵貨幣」『現代思想 増刊号』 32-5, 青土社, 176-183頁.
  • 2004, 「二重のヴェールを剥がす−アンティゴネーと非連続なる資本」『現代思想』32-7, 青土社,106-116頁.
  • 2003, 「予めの排除と内なる排除」竹村和子編『“ポスト”フェミニズム』 作品社, 86-92頁.
  • 2002, “Housing Finance and Destabilization of Structure in Japan”, G.Dymski, and Isenberg.D. (eds.), in Seeking Shelter on Pacific Rim: Financial Globalization, Social Change and the Housing Market. M.E.Sharpe. pp.187-208.
  • 2001, 「市場・制度・「家族」:フェミニスト経済学の可能性」杉浦克巳、柴田徳太郎、丸山真人編『多元的経済社会の構想』 日本評論社, 154-176頁.
  • 2001, 「グローバリゼーションと非連続discontinuity」伊豫谷登士翁編『ジェンダー叢書5 経済のグローバリゼーションとジェンダー』 明石書店, 189-211頁.
  • 1999, 「フェミニスト経済学という可能性」『現代思想』 27-1, 青土社, 105-113頁.
  • 1999, 「グローバリゼーションとジェンダー」『アソシエ』 創刊号, 御茶の水書房, 95-110頁.
  • 1996, 「市場とサブシステンス・エコノミー」 井上俊、上野千鶴子、大澤真幸、見田宗介、吉見俊哉編『岩波講座 現代社会学』 第17巻, 岩波書店, 131-154頁.

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