『労働力調査』の個票を用いて、企業の採用意欲が回復しつつあった2002年度-2007年度のデータを用いて、若者が初職に安定雇用に就けるようになったかどうか、また無業やアルバイトに就いたとしても、どの程度正社員に移行できるようになったか、さらにパート・アルバイト経験が長いことは賃金率にどのような影響を与えるかについて計測した。多変量解析の結果、学歴が高いほど、またパート・アルバイトに就いているよりは、派遣社員(女性)や契約社員(男性)に就いている方が、正規職に移行しやすいことが示され、Temp to Permが一定程度見られた。しかし若いうちでないと、正規職の仕事に移りにくいことも示され、年々非正規雇用に陥る確率が上がっていることも示された。さらに正社員の仕事に転職できたとしても、パート・アルバイトを長く続けているほど、転職時の賃金が低下してしまう。