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2022年6月20日更新
人間発達科学専攻は、社会的かつ個人的存在としての人間とその発達過程を対象に、教育科学、心理学、発達臨床心理学、社会学、保育学、教育支援等をベースとして、専門的かつ学際的なアプローチの可能な女性研究者や専門職業人を育成する。人間の発達、環境、教育、生活などの領域について、日本や世界の、過去から現在、あるいは未来への諸問題の解決に意欲を持つ学生の入学を期待する。
博士前期課程は、教育科学コース、心理学コース、発達臨床心理学コース、応用社会学コース、保育・児童学コースから構成されている。これらのコースのもとで、経験科学的方法論の基礎を修得するとともに、社会的・心理的諸病理の解決を目指した実践的課題意識に基づいて、社会–人間–発達を総合的・有機的に結びつける理論を身につける。
本専攻では、研究領域の結集のみならず、本専攻の理念である学際性を身につけた研究者・人材の養成を目指す。具体的には、博士後期課程への進学を主眼とした人間発達科学と社会科学の相互理解を備えた人材のほか、教育科学、心理学、社会学等を専門とし、実践力を身につけた公務員や研究員、臨床心理士や社会調査士等の資格を備えた人材、保育・児童学の知識と方法論を身につけた児童相談所等の育児・教育アドバイザー、および政策能力・実践能力を高めた教職員や教職員指導者などである。このために、博士前期課程では「男女共同参画リソース・プログラム」等の副専攻も提供することで、学際的な方法論と知識の共有を推進して、多様なキャリアパスの形成を支援する。
人間の生涯にわたる発達の過程を多様な方法論により科学的に探求するとともに、諸教育問題の解決に資する実践的な研究を行う。
人間の心理メカニズムを、脳を核として、発達という時間軸、社会という空間軸の中で、多次元的・総合的に検討し理解する人材を育成する。
臨床心理学を柱として、発達臨床心理学の研究を行う基礎的な研究能力を養うとともに、家庭、教育、医療、福祉、司法、産業等の様々な場における人々の心理臨床的、発達的問題について専門的に対処する力を育成する。なお本コースは、財団法人日本臨床心理士認定協会の第一種指定校である。
現代社会の諸問題(家族・地域、コミュニケーションの問題など)を社会学的に研究する。
保育・児童学コースでは、主に、保育・子育て等の現場に携わる社会人、及び将来そうした活動に積極的に携わろうとする学卒者を対象に、現場で生じている様々な問題を、個々人の発達や心理、場における相互作用のあり方やそれを取り巻く社会や歴史的経緯と関わらせて多角的に理解する資質を養う。また、それとともに現場に即した分析や対応策の検討を目指す。