最終シンポジウム 「新たな時代のグローバルリーダーを目指す女性博士人材の可能性と期待」を実施しました

日時:2020年 1月22日(水)13:00~16:00
場所:国際交流留学生プラザ 2階 多目的ホール

最終シンポジウム:新たな時代のグローバルリーダーを目指す女性博士人材の可能性と期待

 本プログラムの補助事業期間終了に伴いまして、これまでプログラムに支援いただいた学内外の皆様に、これまでのプログラム活動および成果についてご報告させていただきました。まず初めに、森田理事・副学長、本プログラム責任者より開会の挨拶がありました。第1部では、グローバル企業の方々をお迎えして基調講演を行いました。持続可能な社会に対する企業の取組み、社会の女性活躍への期待など、大変関心の高い議題が取り上げられました。その後、成果報告とともに修了生によるミニ報告会、休憩時間を利用した履修生のポスター発表、修了予定者による修了審査会(fQE)が行われました。
 
第1部 基調講演
♦タイトル:X-Biomer in-situ;An example of the contribution of scientists to resource conservation
Luis López-Remón 氏
(Senior Vice-President, LANXESS Deutschland GmbH)
Luis López-Remón氏ドイツの大手化学品メーカーのランクセス社の主要産業の一つ、皮革製品にとって最も重要な工程である、なめし加工や染料加工などに使われる材料には、再生可能でより自然界に近い素材を取り入れています。また工程回数を減らす工夫により二酸化炭素量を削減に成功しています。化学工場と環境保全とは一見相入れない関係のようですが、同社は率先して環境に配慮した戦略を打ち出し実行しています。ドイツ政府とのプロジェクトでも数々受賞するなど、環境大国の企業として社会貢献に力を入れています。企業が地球規模の問題に取り組む大切さを教示くださいました。
 
♦タイトル:グローバルな活躍が期待される女性博士とリーディング大学院の貢献
久保田 伸彦 氏 
(株式会社IHI 理事 資源・エネルギー・環境事業領域事業開発部長)
 
企業等で活躍できる女性博士(女性とは限らない)とは、
・研究開発(R&D)プロセスにおいて企画、立案、実施、実用化を全て単独で行い、成果に結びつけることが出来る人材
・世界で戦うために、海外の研究者と高いレベルで対等な議論ができる人材
・オープンイノベーションを推進する協調性がありダイバーシティへの理解が高い人材
 
久保田 伸彦氏このような人材になれる力を履修生はプログラム活動で身につけることが出来ていると、高い評価をいただきました。一方で、課題として、日本企業の女性研究者割合が国際比較で圧倒的に少ないこと、また女性役員数の政府目標に対して半分も届いていないことが、あげられました。これは日本が昨年、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数で過去最低121位となった現状にも現れています。
 
学生からも積極的に質問の手が上がり、「女性の昇進について企業で正しく運用されているのか?」などの声があがりました。それに対して、久保田氏からは「以前と現在は状況がかなり違う。入社した時から社長になるとくらいの高い志を持って挑戦してほしい」と、熱いメッセージで締めくくられました。
 
♦プログラム成果報告および修了生によるミニ報告
修了生との対談歴代修了生の進路先の紹介、PBTS研究やグローバル研修実績について報告し、座談会形式で修了生を代表して、水戸晶子さん(2018年度修了、文部科学省研究振興局ライフサイエンス課)が自身の履修生時代の経験を語りました。


 リーディングプログラムは引き続き、本学独自の予算を手当てし「グローバル理工学副専攻」として継続します。これまで本プログラムにご協力いただいております皆様には、引き続きご支援・ご指導をいただけますようお願い申し上げます。