お茶の水女子大学
日本言語文化学研究会

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●特別講演会●
講演者: 大関 浩美先生(麗澤大学)

日時:2010年5月25日(火)17:00〜19:00
場所:お茶の水女子大学
人間文化創成科学研究科・全学共用研究棟 6階大会議室
参加費:会員無料、非会員500円 (当日入会可、会員年会費4000 円)
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   【報告】

     
 

大関さんの講演会の感想

日本語教育コース M2  白 春花

“これをこういうふうに教えれば学習者がすぐ習得できるのではないか、この順序で教えれば学習者がもっとスムーズに使えるだろうか?第二言語習得研究(SLA)は一つ一つの質問にクリアな答えを出してくれないか?”という凄く素朴な質問から講演を始め、SLAの幅広い知識、及び歴史の道筋を非専門分野の方でも分かるように、説明していただき、大変勉強になりました。

SLAというのは答えを出すというより、教育現場で起きている様々な現象に対して考える手がかりを提供するのである、或いは、学習者と学習者の言語を養う力である”という視点から、SLAの簡単な流れ、中間言語の研究―学習者の言語はどういうふうに発達していくのか―、私達はどのように働きかければいいのか、それから、習得順序の研究、言語習得の必要な要因或いは言語教室活動などを考える時のインプット、アウトプット、文法の説明、フードバック等の幅広い知識を分かりやすく説明していただき、知識の整理にとても勉強になりました。さらに、SLA研究の最新の研究を紹介していただき、知識の刺激を頂きました。

正しい日本語を学習者が正しく学び、正しく使えていくというより、学習者が自分で日本語の言語体系を頭の中で作っていくのに、支援していくのは言語教師、及びSLAの役割であるということを学習者の実際の使用(「に」と「で」の使い方)と結びつけて説明していただいたことが印象深いです。

教師が教えたことを受動的に受けるというより、教師が意図的に教えていることと全然異なる体系をつくることも普通に起こるとおっしゃっていたことが自分のこととすごく関係していて、とても刺激的な話になったような印象がのこりました。

Krashenの仮説を教室活動と関連しながら話していただいたのがとても面白かったです。

Krashenの仮説が難しく思われたところ、話を四つの質問−自然な順序というのは具体的にどういう順序でしょう?本当に母語と関係なく普遍的な習得順序があるだろうか?どの項目でも決まった順序があるのか?習得順序があるとしたら、教室で順序どおりに教えたほうがいいのか?など質問から始めていただいたのが分かりやすかったです。

特に習得順序があるといわれている項目の中から英語の冠詞の使い方と関連しながらプレゼンしていただいたのが分かりやすかったです。

これからもこういう講演会が多く開いていただいたら、とても幸いに思います。

 

 
     

 

   【会場の様子】

 

 

       

  


   

 

 

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