最終更新日:2011-06-12 (Y-M-D)
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修士論文の要件と研究指導/支援体制 |
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修士論文研究の要件は何ですか? |
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質的には、学術的にみて発表価値がある研究であることが条件です。現に、本学の修士論文研究の成果が学術雑誌に掲載された実績が多数あります。 そのためには何らかの点で学術的な新規性が必要です。画期的な大発見を全員に要求しているわけではありませんが、理論・枠組み、研究対象、研究方法/デザイン、分析技法の少なくともいずれかにおいて何らかの新しい工夫や試みをすることにより新しい知見を付け加えるか、あるいは研究の実施過程で先行研究を上回る完成度を達成することは必須です。 量的には、修士論文の本文は50ページ前後が目安となっています。ただし、調査用紙や網羅的な結果集計表などは本文ではなく付録に含めることができます。(付録のページ数には制限がありません。) 修士論文のフォーマット等の形式面については、執筆要綱に概要が説明されています。 |
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修論研究にあたって、どのような指導/支援を受けることができるのでしょうか? |
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修士論文を翌年提出することを予定している学生は、修論指導のためのゼミに参加します。 もちろんゼミだけではなく、教員と個人面談して相談することもできます。特に修士論文のテーマが教員自身の研究分野と密接に関連している場合、最新の研究動向の紹介を得られるなど、様々な利点がともないます。 これに加え中間発表会には日本語教育担当教員の大半が出席しますので、様々な角度から助言や批判を受けることができます。 |
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修論ゼミはどのような進め方をするのですか? |
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修論ゼミに参加した学生は各自の研究の進捗状況を輪番で報告するのが通例です。その場では担当教員のみならず他の学生も議論に参加し、研究方法の可否・結果の解釈の妥当性などについて突っ込んだ論議をかわします。 2007年度からは、M2全員が参加する「総合ゼミ」(必修)と主指導教員を同じくする学生が集まる「専門ゼミ」(選択必修)の二つの修論ゼミに参加することになりました。前者は幅広い視野を、後者は深い専門知識・研究技能を得る場と位置づけています。 全員参加の「総合ゼミ」において自分以外の学生の研究に関する論議にも積極的に参加することにより、幅広い分野の研究動向と方法論について理解を深めることができます。日本語教育コースの修士号は日本語教育全般にわたり高い識見を有する「目利き」であることの御墨付きでもありますから、課程修了までに自身の修論研究を深めるとともに、こういった周辺領域に対する広い視野と専門的教養を身につけておくことが必要です。 また、同期入学の院生は課程を修了した後も長い職業生活を通じて最も頼れる協力者であると同時に時にはいい意味でのライバルともなりうるわけですから、お互いの研究方向について知悉しておくことは双方にとってプラスです。 一方、「専門ゼミ」では指導教員に加え、博士後期課程の大学院生も必要に応じて参加することがあります。これら各分野の専門家から助言を受ける場は、高度な専門知識・技能を身に付ける格好の機会となります。 |
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修論研究に関して他学部や学外の研究者に相談してもいいでしょうか? |
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相手の了承があれば、全く問題ありません。最終的な研究の主体は論文著者本人をおいて他にないわけですから、自分で進捗状況のスケジュールを管理し必要な文献を検索したり学外の研究会等に出かけて情報を収集したりする責任は学生自身にあります。 |
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私が興味をもっている分野で修論研究を指導してもらえる先生がお茶の水女子大学にいるかどうか、どうやって調べたらいいでしょうか? |
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『大学案内』や教員データベースを活用して分野の近そうな教員を探し主要な著作に目を通した上で、直接連絡をとって相談なさることをお勧めします。日本語教育コースの各教員の専門分野はコースのホームページから調べることができます。 |
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2年間で課程を修了するためには、修士論文の準備はいつごろはじめればいいでしょうか? |
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原則論をいえば、良質な研究を完成するためには準備開始が「早ければ早いほどいい」のは言うまでもありません。 現実のスケジュールを考えてみると、M2の4月になってはじめて修論研究に取り組みはじめるのでは研究方法の細部をかためおわる頃には夏の盛りになってしまい、選んだ理論枠組みや方法が研究目的・対象に照らして適切かどうか実地に試してみる(「パイロットスタディ」)余裕がないままデータ収集本番に突入してしまうことになりがちです。そこで集まったデータを目にして研究方法の不備に気づいたりその中から興味深い研究課題をみつけたりしてもいまさらデータをとりなおしている時間はもはやなく、後悔の念と不完全燃焼感を抱えながら論文を書く、という事態に陥りかねません。 こうした事態を避けるためには、M1の間に充分な下準備をしておくことが肝要です。より具体的には、研究領域の個々の研究文献ならびにその下地になる概説書/展望論文等を精読・多読して自分なりのまとめをするとともに、できれば先行研究の小規模な追試を行なうなどして「手ごたえ」をつかんでおくと、充実感と自信をもって修士課程2年目を迎えることができます。 M2になるまでの期間をどれだけ有効に活用して理論・方法論の両面で専門知識を深めるかが、その後順調に修論研究を完成する上で一つの重要な鍵を握っているといえます。 |
研究テーマと研究方法 |
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どういうテーマで修士論文を書く人が多いのでしょうか?博士後期課程の学生や教員も含め、どういう研究が行なわれていますか? |
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これまでの修了生は、言語教育・言語習得・音声学・談話分析・文法理論など様々なテーマを選んでいます。過去の修士論文の題目は日本語教育コースのホームページに収録されています。さらに詳しい内容が知りたければ、コースの助手室で修論を閲覧できます。現・元大学院生のホームページ一覧も同じサイトにあります。 博士後期の学生の研究/関心分野を知りたければ、大学院生が中心になって執筆した論文集を一読することをお勧めします。各教員が主宰する文部科学省科学研究費プロジェクトの報告書も、残部があるものはおわけすることができますから、助手室に連絡してください。教員の研究興味と著作リストはホームページに掲載されています。 |
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指導教員の興味にあわせて修士論文のテーマを決めないといけないのでしょうか? |
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そんなことはありません。修士論文に限らず、指導教員の個人研究プロジェクトの補助(いわゆる「下請け」)を、学生本人の意に反して課外で義務づけることはありません。 ただし、毎年15人前後あるいはそれ以上の学生がそれぞれ多種多様なテーマで論文を執筆するとなれば、その全領域の先行研究や研究ノウハウにわたり隅々まで本学の教員が精通していることは期待できません。研究テーマが教員の専門領域から隔たるにつれて、否応なく独力で情報を収集し大小の判断をくださざるを得なくなる局面が多くなることは当然予想されます。 |
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私は年少者対象の日本語教育に興味があります。お茶の水女子大学ではそういう分野の研究はできるでしょうか? |
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年少者対象としては、加算的二言語併用教育を目指した実践とその実践から年少者の言語獲得の実態を理解する研究が行われてきています。博士課程の院生とも協力しながら、留学生と日本人学生がチームを組んで母語と日本語(教科)の二言語能力の育成を目標とする支援教室が大学近隣の年少者を対象として運営されています。 その他、「三言語併用環境における日本語の発達に関する研究」も科学研究費補助金研究として進行中です。 |
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地域在住の定住外国人を対象とした日本語教育に興味があります。お茶の水女子大学ではそういった角度からの取り組みが行なわれているでしょうか? |
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定住外国人を対象とした日本語教育については、「同化要請にならない日本語教育」を探るという観点から、多様な言語・文化背景を持つ成人を対象として「対話の会」が運営され、そこでの実践をもとに研究も進められるようになってきています。 |
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「第一言語としての日本語(国語)」を研究対象に含めることはできますか? |
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日本語教育コースはもともと「第二言語としての日本語教育」の専門家を養成することを目的として設立されましたが、近年ではその修了生が、日本語を母語とする大学生に対して論文作成の技法を教える仕事に就くなど、活躍の場が当初の予想を越えて広がっています。また、過去に修了生が提出した修士論文の中には、特定の文法形式の言語学的分析など、母語話者の言語能力の分析に焦点を当てたものも見られます。さらに、日本語教育コースには国語教師の経験を持つ教員もいます。 したがって、「第一言語としての日本語」も修士論文の研究対象として一概に排除されるものではありません。ただし、将来の就職の選択範囲を広げるという意味では、母語話者と外国人日本語学習者双方からデータを収集し両者を対照すれば、双方の学界で研究成果を発表して注目を浴びることができるという利点があります。 |
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日本語以外の言語を研究対象に含めることはできますか? |
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近年 第二言語習得・会話分析など応用言語学の様々な分野において、比較言語的な研究方法が注目を浴びています。たとえば韓国語を母語とする日本語学習者と日本語を母語とする韓国語学習者の習得過程を比較対照することにより、どちらか一方だけに着目しているよりも深いレベルで言語習得メカニズムを解明できる可能性があります。 したがって、明確な研究目的のもとに、日本語だけでなく他の言語も研究対象に含めることは、研究戦略の一つとして考慮してよいでしょう。 |
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私は学部時代に比較文学を専攻しました。それに関連したテーマで修論研究を行なうことは可能でしょうか? |
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はい、例えば文学作品を素材とした日本語教育カリキュラムのモデル作り、戯曲やシナリオを素材とした会話/談話分析、文学作品や歌詞のコーパスにもとづく計量的な日本語研究、文体論の観点からみた習得研究などは、文学の専門知識のある方に特に適した研究テーマといえます。因に近年ではコンピューターを活用することで、計量的手法による文章研究の効率が飛躍的に向上しています。 |
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私は学部時代に教育学部で教育方法論を専攻しました。それに関連したテーマで修論研究を行なうことは可能でしょうか? |
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はい、授業分析や、教育評価論の立場からみたカリキュラム評価、マルチメディア教材開発など、教育学的なアプローチの日本語教育への応用には大きな期待がかけられています。現に、過去にも日本語授業の授業分析など教育学的なアプローチによる修士論文が提出されています。 |
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私は学部時代に心理学を専攻しました。それに関連したテーマで修論研究を行なうことは可能でしょうか? |
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はい、外国語教育研究における心理学的手法の応用は近年とみに注目を浴びており、実験心理学的な言語処理研究、発達心理学的な会話コーパス分析、社会調査的手法をもちいた調査研究、異文化間心理学の枠組みにもとづくコミュニケーション研究など、広範な応用領域が広がっています。現に、修士論文や博士論文で心理学的な枠組みを用いた研究が多数出ています。 さらに、日本語教育コース/応用日本言語論講座の修了生や教員が内外の心理学学術誌に論文を発表した実績があります。一方、 応用日本言語論講座の博士論文審査に心理学科の教員が参画したことも過去に数例あります。 |
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修論研究のテーマは、いつごろどうやって決めるのですか? |
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例年M2(修士課程在学2年目)の6月末か7月上旬に修士論文研究の中間発表会を開きますので、翌年の1月に修論を提出するつもりなら、それまでには研究計画の骨子をかため、できればデータもある程度収集しておいてほしいところです。M1の間に先行研究の一応のまとめとパイロットスタディを終えてM2の4月には研究計画が仕上がっていれば、理想的な進み方といえます。 テーマ(論題)の選択は基本的には学生に任されています。ただし指導教員は、学生が提案した論題が修士論文研究としてふさわしく、かつ必要充分な深さと広がりを持っているか、所定の期間内に実施可能か、などについて助言を与えます。この段階で問題点が発見されれば、協議の上練り直すことになります。 |
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修論でどういう研究方法を用いるか、いつごろ決めればいいのでしょうか? |
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人間を対象にする実証科学の研究方法は大別して定量的研究方法と定性的(質的)研究方法にわかれます。いずれを選ぶにせよ、2年間で修士論文を書き上げようと思えば、1年生のうちに少なくとも研究方法の基礎は身につけておく必要があります。特にエスノグラフィーや統計学を修論研究で使いこなそうと思えば、その基礎を学ぶために地道な努力をかなりの期間にわたって積み重ねる必要があります。入学時点である程度の方向性を持っていた方が最初からそれに適した科目を洩らさず受講することができます。入学前に書籍や論文を読んだり学会や研究会で研究発表を聞いたりする準備勉強の意義の一つはこういうところにあります。 研究計画の策定において一番まずいのは、「逃げ」で研究方法を選んでしまうことです。たとえば数字が苦手だというだけの理由で、自分の研究対象やリサーチクエスチョン(研究課題)との整合性を考えずに質的研究法を選んでしまうようなことをしていると、研究をまとめる段階になって、本来自分が用いた方法論では下しようのない結論を強引に下してしまいたいというような誘惑に駆られがちです。ひょっとすると、質的研究法は素人目には「見様見真似でできる」ように映る場合があるかもしれませんが、実際には説得力のあるすぐれた論文を質的研究法によって書き上げようとすれば、定量的方法と同等以上に精緻な論理展開を求められる「頭の勝負」になり、熟達するためには長期にわたる専門的なトレーニングが必要になります。そのことを肝に銘じ、それなりの覚悟をしておく必要があります。 また、自分が選んだ方法論の利点と限界を客観的に認識するためには、それ以外の方法についても基礎的なことは知っておいた方が有利です。そういう意味でも、いろいろな研究発表を聞いたり専門分野の違う友人と話をしたりすることは研究者としての幅を広げるのに役立ちます。 |
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修士課程を修了した後は博士後期課程に進みたいと思っています。スムーズに博士号を取得するためには修論のテーマや研究方法を選ぶにあたってどのような点に留意すればいいでしょうか? |
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修士論文と大きく異なる論題で博士論文を執筆することになるとその下準備を博士後期課程入学後、一からやり直す必要がありますので、特別な理由がないかぎり、修論研究の延長上に博論を位置付けた方が短期間で学位が取得できます。 そのためには、博士論文の理論的・方法論的な枠組みを築くことを修論研究の第一目標にすることが考えられます。たとえ修論研究で集めたデータの量は少なくても、枠組みさえしっかりしていれば、博士後期課程に入学してから同じやり方で対象や条件を少しずつ変えて研究を重ねることにより、自然に博士論文の基盤になる系統的なデータが蓄積していきます。 年少者の言語発達の縦断的追跡研究などデータの収集に多大の時間と労力を要する研究の場合は逆に、修論執筆に際してできるだけ多くのデータ(録画テープなど)をまとめて集めてしまう場合もあります。修論ではそのデータの一部だけを分析して取りあえずまとめた上、博士後期課程に入ってからさらに分析を深め、広げることが可能です。 |
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私は修士号を取得した後は日本語学校の現場に戻って教えたいので、現場での実践に還元できるようなテーマで修論を書きたいと思っています。たとえば教育現場の実態調査、新しいコンセプトに基づくカリキュラムのモデル作りや教材の効果測定などをテーマにすることはできるでしょうか? |
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修士論文研究で教育実践に直結する成果を目指すことは可能です。ただし、学術論文である以上、単なる数字あるいは記述の羅列や経験則の寄せ集めに留まるものではなく、何らかの点で学術的な新規性が求められます。例えば理科系大学院留学生の実態調査を行なうとすれば、科学的に妥当性の高い調査方法を用いることはもちろん、過去の理科系大学院留学生教育の流れに鑑みてなぜ今そのような調査が必要なのか、どういう理論枠組みに基づいて調査項目を選定し結果を分析するのか、その調査結果が今後の理科系大学院留学生教育の改善にいかなる示唆を与えるのか、などについて説得力のある論議を展開する必要があります。また、カリキュラム開発を行なうとすれば、どういう点が斬新なのか、その試みはどのような教育/学習モデルに依拠しているのか、なぜそのモデルを選んだのか、開発過程を通じて浮かび上がってきたそのモデルの長所と問題点は何なのか、などについて論議を尽くす必要があります。 特に将来 博士後期課程への進学を希望する場合、修士論文研究では博士論文につながるような論題を選ぶことが望まれます。教育実践に直結する成果を産み出すことを目指しながらしかも博士論文にふさわしい理論的な深さと広がりを兼ね備えた研究を完成するためには、とりわけ卓抜な構想と周到な準備計画が必要になりますから、指導教員と緊密に連絡をとりながら研究計画を練ることをお勧めします。 |
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修士論文は先行研究の追試でもいいのですか? |
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また、ある先行研究の手続きを踏襲して異なる被験者群や対象言語で新たな研究を行 ない、同じ結果が出るかどうか(先行研究の結果はどこまで一般化できるのか)を調
べることも意味ある研究たりえます。 |
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追試は修士論文の予備研究として役に立つでしょうか? |
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新しい分野の研究をはじめる準備の一環として、追試を通じて研究ノウハウを学んだり新しい研究テーマを見つけたりすることは実験科学ではよく行なわれます。現にノーベル賞級の大発見ですら、最初は先行研究の追試がきっかけとなって研究テーマにたどりついた例が 稀ではありません。 実際、他の研究者が書いた研究報告論文を単純に鵜呑みにするのでなく、実際に自分で同じ手続きを踏んでみることにより、その研究をより深く理解することができます。紙面の制限などのため細かい施行手続きや詳細なデータは雑誌論文には記載されていないことが多いので、自分の手で研究を再現してみることによりはじめて勘所に気づくことがよくあるからです。また、そうやって実際にデータを集めて自分で一から分析してみることにより、先行研究の著者が言及していなかった異なる結果解釈にたどりつく場合もあります。そういう意味では、追試は先行研究を深く批判再吟味するための一つの有力な手段であるともいえます。 修論研究の準備としてこういったテーマ探しのための探索的な追試を行なうのであれば、修士課程在学1年目の間にデータを収集しておくとその後の見通しがたてやすくなるでしょう。 |
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他の研究者が考えた研究手続きを転用するのでは、単なる模倣に終わってしまい、オリジナル な研究とはいえないのではありませんか? |
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例え先行研究と全く同じ手続き・分析を繰り返すつもりでも、被験者や対象言語が異なれば
それに応じて計画・実施・分析・論考の各段階で新たに解決しなければならない問題 が生じてくるものです。先行研究をそのまま踏襲するだけではリサーチクエスチョン
に対する答が得られないことが明らかになれば、いやでも自分で智慧を絞る必要が生 じてきます。(もちろん、はじめからオリジナルで良質のテーマや方法を考えだすこ
とができれば素晴らしいことですが、実際には「叩き台」となる試行があ ってはじめて地に足のついた研究プランが産まれてくることがよくあります。)
したがって、「追試研究ではオリジナリティーを発揮する機会がない」と心配する必要は ありません。むしろ先達の研究ノウハウを摂取しながら第一線の研究者達に伍して智慧比べ を挑みあわよくば「金星」を狙うためには、先行研究の追試をしてみることが研究の格好の出発点であるといえます。 |
履修単位・授業科目・在学期間 |
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博士前期(修士)課程修了のために必要なのは何単位ですか? |
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30単位です。現行の履修規定では、このうち16単位はM2時の論文指導ゼミ(8単位)および修士論文提出(8単位)によって取得することができます。 |
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どんな科目が開講されているのですか? |
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開講科目については、次のページを御参照ください。 |
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授業では外国語の文献も講読するのですか? |
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はい、特に大学院の授業では日本語だけでなく、英語の文献を講読することが頻繁にあります。 |
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統計学の授業は必修ですか? |
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日本語教育コースでは毎年非常勤講師にお願いして統計学(「言語教育統計」)の授業を2学期間にわたり開講しています。この授業は必修科目ではありませんが、特に研究職を志す方は少なくとも1学期間は履修することをお勧めします。たとえ自分では定量的な研究を行なわない人でも、先行研究の意味を正しく理解するために最低限の統計知識が望まれます。 |
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高校生の時は数学が苦手で大学の学部も文系だったのですが、大学院で統計学を勉強するのは無理でしょうか。 |
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言語テスト理論のような特殊な研究分野を別にすれば、一般には言語教育の研究に統計的手法を用いる際、実際に数式の操作を延々と行なうことは必ずしも多くありません。むしろ何を明らかにするためにどういう分析を行なうのかという基本的な考え方の方が大切です。したがって、とりたてて数学に強くなくても「目的」と「考え方」をしっかり理解していれば統計学的分析方法を活用した研究をしあげることは可能です。現に典型的な文系学科の出身者が統計的技法を駆使した修論を書き上げた実績もあります。こういった学生をサポートするため、特に授業の入門段階では数式よりも統計数字の「意味」に焦点をあてています。 |
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他学部・他学科の授業に出ることは可能ですか? |
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はい、日本語教育/日本語応用言語学専攻の大学院生が心理学・教育科学・日本語学・英語学・中国語学などの授業を履修/聴講した例は過去に多くあります。ただし、教員によっては受講資格を厳しく制限している場合もあるので、各担当教員の指示にしたがってください。また、大学院生が学部課程の授業を正規に履修して単位 をとろうとすると、余分に授業料を払う必要があります。 |
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言語発達や認知科学に関係がある授業が開講されているのは、文教育学部だけですか? |
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そんなことはありません。たとえば幼児・児童発達の研究は、文教育学部の心理学コースおよび教育科学コースの他、生活科学部の発達臨床学講座や人類科学講座でも活発に行なわれています。理学部で生物学を専攻した後、幼児行動研究の専門家として名をなした修了生もいます。また、コンピューターと人間のインターフェースについては、文教育学部の心理学コース、生活科学部の人間工学研究室、理学部の情報科学科でそれぞれ異なる角度から研究が進められています。 入学に先立ち、本学のサイトを熟読して学内の関連研究陣を詳しく調べておくことをお勧めします。
また、大学入試課が学部受験生対象に無料で作成配布している『お茶の水女子大学 大学案内』は、大学院受験生にとっても有益な情報を豊富に掲載していますので、御一読をお勧めします。 自分の研究興味に近い分野の研究をしている教員が見つかれば、入学前にその著作をいくつか読んでおかれるとよろしいでしょう。 |
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修士課程在学中の学生が博士後期課程の授業に出ることはできますか? |
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単位を認定することはできませんが、教員によっては聴講を許可している場合もありますので、それぞれの教員に問い合わせてください。博士後期課程ではかなり完成度の高い研究プロジェクトをめぐり丁々発止の討議が展開されますので、研究計画のたてかたやデータの解釈のしかたなどのモデルを見聞する上では、修士レベルの授業以上に勉強になるところがあると思います。 なお、教員によってはM2時の専門修論ゼミを博士後期課程のゼミと一体化(「MDゼミ」)している場合もあります。各教員の方針は個別に問い合わせてください。 |
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他大学の授業を履修することはできますか? |
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はい、お茶の水女子大学は東京工業大学ほかいくつかの大学と単位互換協定を結んでおり、所定の手続きをとれば協定校の科目を履修できます。協定校のうち特に日本女子大学(目白キャンパス)と東京大学(本郷キャンパス)は、お茶の水女子大学から比較的短時間で移動できる距離内にあります。(協定校については、入試課のホームページより学生募集要綱または外国人留学生学生募集要綱を参照してください。)各大学の履修便覧や時間割りは本学の学務課で閲覧できます。 なお、他大学の授業に正規に参加するためにはその年度の四月に履修手続きをとる必要があります。(たとえ授業は秋からはじまるものであっても、手続きは春に済ませなければなりません。) |
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2年の間に専門知識を満足できるまで吸収したうえ納得のいくような良質の修士論文を書き上げる自信がないのですが、2年以上にわたって在学することはできますか? |
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これまで修士課程では標準在学期間2年に加えて2年間の留年と2年間の休学が認められていましたので、入学後最長6年の間に必要単位 を取得し修士論文を提出して審査に合格すれば修士号を取得することができます。例えば3年計画で色々な授業や研究会に参加しじっくり理論や手法を吸収してから修論を書きたいという方は、最初からそういう方針で臨んでいただいても差し支えありません。 とはいえ、5年も6年も在学する人は稀で、これまでのところ大部分の学生は2年ないし2年半で修士論文を書き上げています。 2004年度から、社会人枠入学者を対象に「長期履修生」という制度が創設されました。3年あるいはそれ以上修士課程に在学することを前提としてそのぶん一年あたりの授業料が減額されます。「長期履修生」希望者は入学時に必要書類を提出してください。 なお、もし入学時に「長期履修生」の手続きをした学生が結果的に2年以内で修士論文を書上げ提出した場合には、それまでに納めた学費と通常の2年分の授業料との差額を追加納入しなければなりませんが、それ以外にはペナルティーもなく、他の学生と全く同じように課程を終えることができます。 ところが逆に入学してから長期履修生になろうとすると、いささか手続きが面倒です。したがって、修了するまでに何年かかるかわからなければとりあえず長期履修生に申し込んでおいた方がその後柔軟な計画がたてられるでしょう。 特に将来博士後期課程への進学を希望する場合、「2年間でできるだけのことをやって修論を書き上げ、そこから先は博士後期課程に上がってから進める」か、それとも「3年間(以上)かけて幅広く勉強したうえ論題を絞り込み、研究方法論に至るまでしっかり基礎がためをしてから後期課程に上がる」かは指導教員の方針のみならず個人の学習スタイルや家庭事情等にも関わることですので一概にどちらがいいとはいえません。ただし、
および
は頭に入れた上で計画をたてた方がいいでしょう。また、留年してまで幅広く色々な勉強を続けるためにはその期間を通じ人一倍旺盛な知的好奇心を維持できることが前提で、そうでなければ時間とお金を無駄に費やすだけに終わってしまいます。 なお、休学規定については次のページを参照してください。
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入学したからには2年で修了したいのですが、その間に納得のいく論題を考え出し良質の修士論文を書き上げられるかどうか、不安を感じます。 何かいい方法はあるでしょうか。 |
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まずはいろいろな研究領域の論題や各教員の専門分野を広く見渡すとともに先行研究にも目を通し、テーマを絞ってから大学院に入学することが望ましい姿です。そのためには、大学院に入学する前に科目等履修生(または研究生)としていろいろな授業を履修/聴講するとともに学内研究会等に参加するのも一つの方法でしょう。 |
教育実習・教育経験機会 |
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学内教育実習はどのようなことをするのですか? |
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「多言語多文化共生を切り開く日本語教育実習」については以下のページを参照してください。 |
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海外教育実習は必修ですか?何人ぐらい参加するのですか?期間はどのぐらいですか? |
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海外での実習は今のところ任意参加です。正規の授業の一環ではないので、履修単位も出ません(2009年度以降)。 2001年夏の豪州実習(3週間)は13人、2002年春の台湾実習(4日間)は9名、韓国実習(4日間)は7名が参加しました。いずれも夏休みあるいは春休み中に行なわれたので、授業を休む必要はありませんでした。 ただし、夏の長期海外実習に参加してその前後の集中講義も受講すると、実質的に夏休みはほとんど取れません。 |
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教育実習以外に日本語教育の経験を積む機会はありますか? |
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履修単位にはなりませんが、大学院生には教員が担当する科目のTA(teaching assistant)として授業を補助する仕事があります。留学生相談室のチューターをつとめる機会もあります。(これらはいずれも有給で、職務経験として履歴書に記載することができます。) なお、学内での修業機会としてはこの他に、図書館にもアルバイトの求人があります。その他、コンピューターや外国語に強い方は短期のアルバイトのチャンスが広がります。 教員の研究を補佐するRA(research assistant)という仕事もありますが、どちらかというと博士後期課程の学生が採用されることがよくあります。 |
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附属学校の生徒を教える機会はありますか? |
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はい、お茶の水女子大学と同じキャンパス内に併設されている附属中学校では海外帰国子弟を交えた多言語「国際クラス」、附属高校では海外からの留学生の言語保障のための「取り出し授業」という取り組みがなされています。いずれも、日本語教育コースの大学院生がその運営に参画しています。 |
教職免許資格 |
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現在 国語の一種教職免許状をもっています。修士課程在学中に専修教職免許状を取得することはできますか? |
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はい、日本語教育コースの大学院科目の一部は国語の教職科目を兼ねていますので、入学時に国語の一種教職免許状をもっている人なら、修士課程時代に取得した単位を加算することによって専修免許状を取得することが可能です。 詳しくは次のページをご覧ください。
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現在は国語の教職免許状をもっていないのですが、修士課程在学中に教職免許状を取得することはできますか? |
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大学院で履修する科目だけで国語の教職免許状を取得することはできません。取得のためには学部課程の科目を履修して単位 を取得する必要があり、授業料を余分に納めなければなりません。 |
家庭・仕事と学業 |
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週末は毎週プライベートな用事に充てることができますか? |
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過去の例をみると、新入生オリエンテーション合宿や教育実習、第二言語習得研究会およびお茶の水女子大学日本言語文化学研究会の会合、各種の学会、その他の研究プロジェクトや研究会などで土曜日・日曜日も様々な研修の機会があります。せっかく入学した大学院での勉学の機会をフルに活用したいなら、週末も柔軟なスケジュールが組めるように準備しておいた方が得でしょう。
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妊娠・出産・授乳期間中は休学することができますか? |
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はい、学生が出産前後の1〜2学期程度を休学することはよくありますから、遠慮なく申し出てください。休学・復学の手続きも簡単です。 |
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現在勤めているのですが、仕事を続けながら大学院で勉強することはできますか? |
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完全に退職する必要はありませんが、フルタイムで働きながら二年間で修士課程を終えるのはまず無理です。特に入学一年目(M1)は教育実習やその他の授業のプロジェクトを含めてクラス単位 での学習活動時間が長いので、最低でも週に四日は登校して勉学に専念できるようなスケジュールを組んでください。二年目(M2)は各自の修論に力を注ぐことになりますので、研究さえ進捗していれば時間割りは比較的自由です。 |
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現在勤めている日本語学校で修士論文研究のデータをとらせてもらいたいので、関係を絶ちたくないのですが…。 |
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そういう場合、非常勤講師の資格で週に半日〜一日程度職場に顔を出すことにより、関係を維持している方が多いようです。 |
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夜間や週末の授業だけを履修して課程を修了することはできますか? |
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無理です。今のところ、午後六時以降にはじまる授業科目はありません。週末に定常的に授業科目を開講することも稀です。特にM1の必修科目は午前または日中に行なわれるので、その時間に授業に出られるようなスケジュールを組んでください。 |
課外活動 |
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学生有志の自主ゼミ等の活動は活発ですか? |
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はい、特定分野の文献を集中的に読むための輪読会や勉強会が折りにふれ開かれています。現在では正規の授業となっている統計学の授業も、もともとは学生が自主的にはじめた勉強会が発端でした。 過去の例を振り返ると、修士課程の1年目からそうやって専門知識を深めるための地道な努力を重ねた学生の方が概して質の高い修士論文を書き上げ、その後も順調に研究業績を上げているようです。 |
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自主ゼミでとりあげる文献やテーマを、教員から推薦してもらうことは可能ですか? |
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はい、過去にも修士課程在学中の学生が自主ゼミを結成し、教員が推薦した1000ページ近い大部の専門書(英文)を数カ月がかりで読み上げたことがあります。 |
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大学院生は学会の準備や運営に参画できるのですか? |
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お茶の水女子大学で学会や研究会が開かれる時はその前後の期間、大学院生が主催者側として準備・運営の主力になります。特に研究者を志す方は、学会という組織・行事がどのように運営されるのかを主催者として経験することも大学院生時代の重要な職業的訓練の一環です。こういった実体験は、書物だけから得られる知識にはかえがたいものです。 |
海外留学 |
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お茶の水女子大学から海外への交換留学の期間はどのぐらいですか?毎年何人ぐらいが留学するのでしょうか? |
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期間は1年以内です。交換協定を結んでいる各提携校に、1〜2名のお茶の水女子大学生が留学できます。日本語教育コースからの留学生は年によって変動がありますが、2000年度は、2名の学生が交換留学を経験しています。 単位互換制度を活用すれば、交換留学先で取得した単位をお茶の水女子大学での卒業単位に充当したり、逆にお茶の水女子大学で取得した単位を使って留学先の学位を取得する途も開けています。 なお、交換留学生にも奨学金の応募資格がありますが、最近では競争が極めて熾烈になっています。 |
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海外留学をするのに最適な時期はいつごろでしょうか? |
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外国語によるコミュニケーション能力の増進が目的であれば時期は問いません。また、どの大学に留学してもそれなりに得るものはあります。したがって、もし外国語運用力の基礎が既にしっかり身についているのならば、思い立ったらできるだけ早く留学した方がいいでしょう。(特に将来外国での就職を志している場合、海外留学経験はセールスポイントの一つになります。) 一方、専門知識の吸収と研究が主たる目的であるのなら、外国語による授業や研究指導が充分咀嚼できるよう、日本にいる間に準備をできる限り尽くしてから留学するのが本道です。(交換留学の場合は期間が最長でも1年しかないので、専門知識と言語/適応能力の両面で事前に実力を身につけておくことが特に重要です。)大学院に入学してから専門の勉強を本格的にはじめる方の場合、少なくとも1〜2年程度(できれば3年)は日本国内で勉学を積んでから海外に出ると、限られた在外期間のうちに多くを学んで帰国できるでしょう。留学先や受講科目の選択においても、ある程度専門知識を固めてから留学した方が適切な決定をくだすことができます。 |
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休学しないと海外の大学で学ぶことはできないでしょうか? |
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たとえばペンシルバニア州立大学の言語習得センターは西暦奇数年の夏に数週間の短期集中の言語学講座(Summer Institute in Applied Linguistics )を開催しています。豪州言語学会(Australian Linguistics Society)と豪州応用言語学会(Applied Linguistics Association of Australia)も西暦偶数年の豪州の冬(=日本の夏)に2週間の集中講座を合同で開きます。いずれも、それぞれの分野の権威を招き、いかなる一流大学の言語学科や応用言語学科にも見劣りしない豪華な講師陣です。これに類する短期講座が他にもいろいろあります。こういう機会を利用すれば、お茶の水女子大学を休学することなく海外の大学で学ぶことができます。将来 長期留学を考えている方も、その準備としてまずは集中講座に参加し、場慣れするとともに現地で情報を収集することが可能です。 ただし、これらの集中講座はお茶の水女子大学との学生交換協定がないので、手続きは全て自分で行なわなければなりません。 |
設備/施設 |
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日本語教育コース保有のIT/視聴覚機器は、学生が使ってもいいのですか? |
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大学院生控え室に共用のパソコンが常設されている他、構内無線LAN接続可能のノートパソコンやデジタルカメラ、ICレコーダー、ビデオレコーダー、文字起こし専用のテープレコーダーなどを助手室から借り出すことができます。また、マルチメディア編集・音声分析用の高性能ワークステーションが専用機械室にあり、学生も使用可能です。 |
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お茶の水女子大学ではどのOSのコンピューターが主に使われていますか? |
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かつてはお茶の水女子大学の主流はウインドウズで、授業の実習などは原則としてウインドウズ搭載機で行なっていました。教職員や学生の多くが保有しているPCもウインドウズ機です。 しかしここ数年、情報基盤センターが管理するオープンラボは、マッキントッシュが主流になりつつあります。日本語教育コースではウインドウズ機のほか、マッキントッシュも数台保有しています。 なお、UNIXマシンも主としてサーバーおよび科学計算用に理学部等で使われています。 |
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統計分析用のパッケージソフトは装備されていますか? |
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統計パッケージ「SPSS」が、情報基盤センターが管理する情報処理教室(PCラボ)にインストール済みです。 また、エクセルでも簡単な統計分析は可能です。 |
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入学試験全般 |
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募集要綱はどうすれば入手できますか? |
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入試課のホームページから次の情報が入手できます。
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大学院入試の倍率はどのぐらいですか? |
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倍率を意識して合格者数を調整しているわけではありませんが、結果的にはここ数年、日本語教育コースの全受験者のうち3分の1〜2分の1前後が合格しているのが通例です。 |
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何人ぐらいが合格するのですか? |
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入学定員は12名です。年によっては、定員を数名程度超過して入学許可を出した例も過去にありました。 |
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一度受験して不合格だった場合、翌年以降に再受験するのは無駄でしょうか? |
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捲土重来の末 合格を勝ち取った実例は多数あります。また、修士課程の入試に不合格だった人が他校の大学院に進んでから、本学の教員が主宰する研究プロジェクトに参加したり、博士後期課程進学時にお茶の水女子大学を再受験して合格した例もあります。合否に関わらず、「面接試験は面接官に顔を売る機会だ」というぐらいの気持ちで、前向きにとらえてください。 |
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お茶の水女子大学の修士課程では、日本語教育専攻と日本語学専攻は入試方法が異なるのですか? |
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はい、博士前期(修士)課程の日本語教育コースと日本語日本文学コース(日本語学・日本文学)は別 の専攻で、入試もそれぞれ別個に行なわれます。この二つの専攻は試験日が重なっています(二月初旬)ので、同じ年に両方を受験することはできません。 |
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お茶の水女子大学の入試に関する情報はインターネット上で公開されていますか? |
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はい、次のページを参照してください。 「お茶の水女子大学 入試チーム」 http://www.ao.ocha.ac.jp/ |
受験資格・適性 |
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社会人枠入試の受験資格の「2年間以上の日本語教育経験」とは、具体的にはどういう経験のことを指すのですか?連続して2年間勤務していなければいけないのですか? |
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この場合「日本語教育経験」とは、職務経験を証明するための正式な書類を発行できる、社会的に認知された機関での経験を指します。国内外の各種日本語教育機関(大学・日本語学校など)や政府機関(国際交流基金など)による海外派遣の他、地方自治体が主催するボランティア日本教室などでも構いません。 勤務年限は通算して2年間の勤務経験があればよく、連続している必要はありません。 |
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実務経験がないのは不利ですか? |
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合否判定にあたっては、実務経験・専門知識・研究実績・言語技能など様々な角度からの評価を勘案します。日本語教育の経験や実績があれば判定にあたって一つの有利な材料にはなりえますが、それがなくとも他の点で優れた資質・適性を示すことができれば合格のチャンスは大いにあります。 |
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日本語教育能力検定資格は必要ですか? |
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能力検定試験合格を大学院の入学資格の一つに数えているわけではありませんが、能力検定を目指して勉強することは、幅広い関連知識を一通 り通覧する機会としては有益でしょう。特に大学新卒者など実務経験の少ない方には、日本語教育専門家に至る一つの中間目標として検定試験を受験することをお勧めします。 ただし、多肢選択などの客観式テストが多い能力検定試験と論述式の大学院入試とでは出題形式や問われる知識の深さが大きく異なりますので、検定試験に受かったからといってそれだけで、大学院入試で高得点をとれるという保証はありません。検定試験対策用の入門的な参考書の域にとどまらず、入試に先立っては各分野の専門的概説書にも目を通しておくことが必要でしょう。 |
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日本語教育能力検定試験の出題範囲が最近拡大されたと聞きましたが、その変化は大学院の入試問題にも反映されるのでしょうか? |
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順序はむしろ逆です。異文化間コミュニケーションや第二言語習得などは、日本語教育学の重要領域として従来から大学院で力を入れて研究されてきたものです。それらの領域がこれまで能力検定試験に充分に反映されていなかったのを是正することが、今回の検定試験改革の狙いの一つといえるでしょう。 |
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教職免許をもっていると合否判定で有利ですか? |
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教職免許の有無自体が入試判定の決定的な判断材料になることはありません。 とはいえ、教職免許を取得する過程で学んだ関連知識や教員としての実務経験が日本語教育専門家としての教育・研究活動に様々な形で活かされた例は過去に多くあります。(国語はいうにおよばず、それ以外の教科/類別、例えば英語・社会科・音楽・体育・小学校などの教職免許をもって日本語教育の道に入って来られる方も少なくありません。) また、教職免許に限らず、多様な知識技能や経験を持った人達が入学してこられることが望ましいので、自分の能力や実績は遠慮なくアピールしてください。 |
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一般入試の合格者は国語学(日本語学)科・国文学(日本文学)科や外国語学科の卒業生が多いと聞きました。それ以外の専攻だと不利な判定を受けるのでしょうか? |
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そんなことはありません。むしろ、認知科学・教育学・人文諸科学・社会科学や自然科学・工学なども含め、様々な背景知識を持った人達が入学して来られることによって日本語教育研究が多様化・活性化することを期待しています。現に、エスノグラフィー・授業分析・社会調査法・実験心理学・コンピューター通信・計算機言語学などの知識技能を外国語教育研究に活かせる場はどんどん広がっています。特に他専攻から受験する場合は、審査にあたる側としてもその応募動機が自ずと気になりますので、どうして日本語教育専門家を志すに至ったのかをわかりやすく説明すれば、審査官を納得させやすくなります。 また、最近では経営学・工学・看護学など学習者の専門分野での訓練研究を視野に入れた実戦即応の日本語準備教育が脚光を浴びていますので、専門職業人としての高度な知識技能を有する人材は日本語教師の候補としても貴重な存在です。 |
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学部時代の専攻が言語や教育とは全く無関係な分野だったので、大学院での専門教育についていけるかどうか自信がないのですが…。 |
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言語や教育に関する基礎的な知識は日本語教育に関する研究を行なう上で必須ですが、修士課程に新しく入学してくる学生は言語学や外国語教育の専門家ばかりではないことを念頭において指導計画を立案しています。 とはいえ、そういった配慮の上にいつまでもあぐらを書いていては進歩は望めません。大学院生として入学した以上、入学前の経歴に関わらず一定水準以上の成果を達成することが当然のこととして要求されます。そのために必要な知識が不足しているなら、
など自分で智慧を絞ってその不足を補うことが「勉強のプロ」たる大学院生の腕の見せ所です。 過去の例をみても、こういった努力をたゆまず重ねた学生は着実に実力を伸ばしています。現に他分野の学部課程から日本語教育コースに入学してきて秀逸な修士論文や博士論文を書き上げ、学界で活躍している先輩が数多くいます。 |
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お茶の水女子大学の学部課程を卒業していることは大学院入試で有利ですか? |
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入学審査にあたって学内からの進学希望者を一律に優遇するようなことはなく、受験者は全員同じ基準で採点評価されます。 本学で学生生活を送った経験があれば、大学の施設や諸手続きに慣れているという点では大学院生活をスムーズにはじめることができるのは確かですが、こういったことは外部から受験しても入学してから身につけることが充分可能です。 |
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私はお茶の水女子大学の卒業生ですが、学部時代の専攻が言語文化学ではなく在学中に日本語教育基礎コースの科目も受講しませんでした。入試では不利になるでしょうか? |
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在学中に日本語教育基礎コース科目を履修しなかったこと自体が理由で不合格になることはありません。受験者は全員同じ基準で採点評価されます。 ただし、これまでに関連分野の勉強を本格的にしたことがないのであれば、専門試験で高得点をあげるためには余分に勉強をしていただく必要があるでしょう。 |
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私は他の大学の3年生ですが、将来お茶の水女子大学大学院の日本語教育コー スを受験することを希望しています。その準備としてお茶大の日本語教育基礎コースの授業を履修あるいは聴講したいのですが、他大学在学中にお茶大の科目等履修生になることは可能でしょうか? |
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過去には他大学在学中に科目等履修生として本学に通ったうえで本学大学院の 入学試験を受け、合格した事例もあります。ただし大学によっては、自校在学者が別の大学の授業を履修することに厳しい制限を設けている場合もあります ので、自校の方針を確認してください。 また、本学の側にも科目等履修生として受け入れるためには資格要件があるので、詳しくは入試課に問い合わせてください。 |
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研究生や科目等履修生・聴講生になると、翌年の大学院入試で有利ですか? |
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外部からの受験者と全く同じ基準で採点します。いわゆる「下駄をはかせる」ことはありません。したがって、合否判定で有利な扱いを受けることを期待して研究生や科目等履修生・聴講生になろうとするのは無駄です。 特に研究生は正規に授業を履修する資格がなく各自が設定したテーマに基づき研究を進めることになっていますので、はっきりした研究目的がなければ時間が無駄に過ぎてしまいます。 また、12名の入学定員に対し研究生になりたいという希望は毎年何十件もありますので、たとえ研究生として受け入れられたとしても翌春の入学試験で合格するという保証は全くありません。 |
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私は既に修士号をひとつ持っているのですが、博士前期(修士)課程の日本語教育コースと博士後期課程の応用日本言語論講座を同じ年に受験することはできますか? |
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はい、できます。例年、博士前期(修士)課程の入試は二月、博士後期課程の入試は三月にあり、両方に出願・受験できます。両方とも合格してからどちらに入学するか決めることもできます。 |
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私は男ですが、お茶の水女子大学で日本語教育学を勉強したいと思います。何か方法はありませんか? |
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男性が正規の学生として本学に入学することはできないので、学士・修士・課程博士の学位を取得することもできません。また、聴講生、学部レベルの科目等履修生や研究生も女性に限られています。 ただし、単位互換協定を結んだ他大学からの交換学生としてであれば、男女を問わず大学院あるいは学部の授業に出ることが可能です。 また、研究をまとめて論文を提出し審査に合格すれば男性も本学の論文博士号を取得することができます。 (この場合、授業科目を履修する必要はありません。) 男女を問わず非公式の聴講を学外者に許可しているゼミもありますが、これはそれぞれの教員の判断なので個別に問い合わせてください。 |
提出応募書類 |
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卒業論文のテーマは日本語教育と関係がないのですが、日本語教育に関する論文をあらためて別に書き提出しなければならないのでしょうか? |
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一般入試枠の受験者の場合は卒業論文またはそれにかわる報告書を提出することが必須ですが、論文のテーマは何であっても構いません。新卒予定の方でしたら、今書いている卒業論文(の草稿)をそのまま提出して差し支えありません。 |
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卒業論文は我ながらひどい出来だったのですが、これでは大学院進学は無理でしょうか? |
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日本語教育に何らかの関連がある分野で優れた論文を書きあげた実績があれば、大学院の入学審査において一つの有利な材料にはなりえます。とはいえ、入学以前に研究面 で目立った実績がなくても、それ以外の点で優れた資質や実績を示すことによって合格しその後この分野で活躍しておられる方は過去に多数おられます。 |
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経済学部出身なので卒業論文を書かなかったのですが、日本語教育の経験があまりないため社会人枠では受験できません。どうすればいいでしょうか? |
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それでは、現在 興味を持っている研究テーマに関してレポートを書き提出してください。データにもとづく実証的な研究を実施できる環境にないなら、先行研究のレビューなどでも結構です。(規定上はどのようなテーマに関するものでも受理しますが、できれば日本語教育やその関連分野と何らかの接点のある課題を扱ったものが含まれていると、審査の際の参考になります。) |
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社会人入試枠で受験しますので卒業論文の提出義務はないのですが、学部生時代に書いた卒論のテーマが言語教育に関わりの深い内容で出来栄えにも自信があるので審査資料として提出したいと思います。応募書類の一部として受理してもらえるでしょうか? |
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はい、受理します。参考資料として提出してください。卒業論文以外に学術雑誌に発表した論文などがあれば、それを提出することも可能です。 |
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研究計画書はどの程度詳しく書けばいいのでしょうか? |
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入学審査の段階で審査教員が主に注目するのは、例えば次のような点です。
以上のような点がしっかりしていれば、研究対象者の人数や質問紙の項目数などの詳細は入学してから詰めることができますし、諸条件も変化しうるので、細部まで計画が煮詰まっていないからといってそれだけで直ちに不合格になることはありません。総じていえば、「答えを、あるいは答えの出し方を知っているか」よりは「適確な、深い問いかけをすることができる」ことの方が研究者の資質として先決要件です。(もちろん、専門家の目からみても完成度の高い研究構想が応募時点で既にできあがっていれば、それに越したことはありません。) なお、研究/志望動機の説明方法については次のような文献も出ていますので、あるいは御参考になるかと思います。
論述のしかたについては、次の本をお勧めします。(入学以降の修士論文に至る学術文書の書き方の手引きとしても、アカデミックライティング教育の基本書としても秀逸です。)
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研究計画書を書くほど具体的な計画がまとまっていないのですが、どうすればいいでしょうか? |
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やはり、大学院で何をやりたいのか、はっきりした目標をもってから応募することをお勧めします。そのためにはたとえば 日本言語文化学研究会から刊行されているレビュー論文集などを手がかりに、関連する本学修了生の修士論文や各種学術雑誌の掲載論文をたどるとともに、学会や研究会に頻繁に足を運んで見聞を広めることをお勧めします。 言語教育に関するメーリングリストに加入したりメールマガジンを講読するのも、情報網を広げる上で有効です。 |
筆記試験 |
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過去の入試問題を見ることはできますか? |
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はい、次のページを参照してください。
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英語が苦手なのですが、外国語試験を受けずに入学する方法はありますか? |
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今のところ日本人学生に対しては外国語試験は必須ですので、免除することはできません。テーマを問わず言語教育学や応用言語学を研究するためには外国語(特に英語)の文献を読みこなせることが重要です。 留学生に対しては、2005年度入試より外国語試験が免除されることになりました。そのかわり、留学生には日本語試験が課されます。 |
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英語の試験は難しいのですか?/読解中心ですか? |
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大学院での研究のために最低限必要な英語力(主に読解力)を念頭においていますので特別 むずかしいというわけではありませんが、外国語試験の得点が基準点に達しないため苦杯をなめる受験者が例年何人かいることも事実です。 |
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専門筆記試験はどういう形式ですか?どういう範囲から問題が出ますか? |
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専門筆記試験問題は大別して、
ここ数年の入試問題は、主に下記の分野から出題されています:
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専門試験に備えてどのような勉強をすればいいでしょうか? |
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まずは過去の入試問題を入手してください。その出題範囲や発問形式を念頭においた上で、各分野の定評ある概説書を熟読し、実際に答案を書いてみることが試験準備の正攻法です。 他専攻から受験される方はもちろんですが、例え学部時代に言語学や日本語教育を専攻した方でも出題範囲と様式にあわせてきちんと知識を整理しておかないと、専門試験で思わぬ失点を重ね不覚をとることがないとはいえません。そのためにも、充分な準備をしてから入学試験に臨むことを強くお勧めします。 |
口述(面接)試験 |
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口述試験ではどんなことを聞かれるのですか?想定質問集はありますか? |
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志望動機、研究興味、具体的な研究計画、日本語教育経験、卒業論文の内容など様々な角度から質問されます。質問は受験者によってそれぞれ異なるので、あらかじめ決まった質問リストを用意することはできません。 |
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口述試験が受けられるのは、筆記試験の一次審査を通過した人だけですか? |
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これまで一貫して、言語・専門の筆記と口述面接の双方の試験を全受験者に実施してきました。(これまでのところ、いわゆる「足きり」を行なったことはありません。) |
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他大学の大学院に併願していることを正直に言うと不利になりますか? |
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そんなことはありません。併願先をお尋ねするのは興味関心の方向などを知るための参考情報を得たいからに過ぎません。他の合格要件を全て満たしている応募者を、他大学と併願しているという理由で不合格にすることはありません。 |
その他の受験前準備 |
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入学前に学会に出席することは、あとあと役にたつでしょうか? |
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はい、応募前に少なくとも一度(できれば何度か)は「学会」あるいは「研究会」と名のつく会合に出てみることをお勧めします。各種の学会、とりわけ日本語教育学会や第二言語習得研究会全国大会に参加することで、現在どのような研究者がどのような研究を進めているかを広く知ることができ、大学院での研究目的をはっきりさせて充実した研究計画書を書き上げる上でも、アカデミックな雰囲気に慣れる意味でも、貴重な体験となります。一方、第二言語習得研究会地区部会のような小規模の研究集会は、先輩や同じ志をもつ仲間とのネットワークを広げ情報を収集するのに格好の場です。また、お茶の水女子大学日本言語文化学研究会はいうまでもなく、日本語教育コースの研究内容を知る上で格好の機会です。 また、いったん大学院に入学すればさっそく各種のプロジェクト計画や研究成果をあちこちで発表することになりますから、アカデミックな発表や学術会議とはどういうものであるのかについて、はっきりしたイメージをあらかじめつかんでいる必要があります。日本語教育関係だけでなく、言語学・国語学・教育学・英語教育学・認知科学などの関連学会からも得られるものは多くあります。 |
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入学準備 |
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合格していることがわかったら、大学に足を運ぶ必要がありますか? |
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試験結果は構内掲示の他、入試課を通じインターネットや郵便でもお知らせします。いずれにせよ、合格者には発表当日にお渡しする資料があります ので、合格していることがわかったらコースの助手室まで足を運んでいただきたいところです。 お仕事の都合などで自分では来られない場合、合格していることがわかったらただちに助手室に連絡をとり指示を仰いでください。(合格発表は春休み中ですので、助手室は決まった日しか開室しません。電話で連絡がとれない場合、電子メールを御利用ください。) なお、合否の問い合わせに対しては、助手室では御答えできません。 |
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大学院での専門教育についていけるかどうか心配です。合格したら入学前にどのような準備をすればいいでしょうか? |
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修士課程合格者には、入学するまでに読んでおいたらいい本やその他の注意事項を記載した『入学前準備ガイド』を提供して大学院生活に備えてもらっています。(この資料の一部は、日本語教育コースのホームページ上でも閲覧できます。) |
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合格したら入学前にさっそく宿題が出ると聞きましたが…。 |
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他のことが全くできなくなるほど膨大な課題を課するわけではありませんが、4月からの専門教育を順調に開始できるようにするためには、2月の合格発表から4月の授業開始までの約2か月間を有効に活用して準備を進めることはかなり重要であると考えています。(新学期が始まるとさっそく授業やプロジェクトに忙殺される日々が始まり、夏も実習や集中講義が予定されていますので、入学前の春休みを逃せば、その次に各自の興味にあわせ文献を探してじっくり読んだり考えたりする時間が長期にわたってとれるのは早くて一年後の春休みになってしまいます。) したがって、この時期に読んでおいたらよい文献のリストや考えておいてほしい論題は合格発表と同時にお伝えすることにしています。 |
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コンピューターの知識・技能はどの程度必要ですか? |
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最低限、
などの技能は合格してすぐに必要になります。コンピューターウイルスの感染経路にならないためには、
も知っておいてほしいところです。 プレゼンテーションソフト(例:「パワーポイント」/「インプレス」)、ホームページ開発ソフト(例:「ホームページビルダー」/「フロントページ」/「ドリームウィーバー」)、表計算ソフト(例:「エクセル」/「カルク」)、統計パッケージ(例:「SPSS」)や文献データベースソフト(例:「Get-a-Ref」「Ref」)の使い方なども知っていればそれに越したことはありませんが、これらは入学してから勉強しても追い付くことが可能です。 |
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コンピューター技能は入学したら授業で教えてもらえるのですか? |
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例年、プレゼンテーションソフトやホームページ開発用ツールなどの使い方はM1向けのオリエンテーション科目の中で紹介しています。また、音声分析ソフトや統計分析パッケージソフトの使い方もそれぞれ当該の専門科目の中で手ほどきがなされます。 とはいえ、多岐にわたるコンピューター関連技能を授業時間内ですべて紹介することは不可能です。また、一度学んだ技能も技術の発達とともに次第に陳腐化することは避けられませんから、常に自己努力による研鑽が不可欠です。日本語教育コースの助手室にあるIT図書コーナーやネットワーク上のリソースなどを活用して、自分の力で新しい技能を学びとっていってもらいたいと願っています。 ITだけでなく、統計学ほか諸々の研究技法、学界情報、専門知識など、何でも自力で学び取る姿勢がないと研究者あるいは専門職業人として成功することはできません。 |
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コンピューターのハードやソフト、ネットワ−ク環境は、どの程度整えておけばいいでしょうか? |
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《ハードウエア》 ほとんどの学生は自分のパソコンとプリンターを持っています。大学にも情報処理教室(PCラボ)や館内貸し出し可のノートパソコンがありますが、休日や早朝・夜間でも自宅で自由に使えるパソコンがあることは何かと便利です。これから買うなら、簡単に持ち運びができて海外でも使えるノートパソコンをお勧めします。 《ソフトウエア》 マイクロソフト社の「オフィス」などのパッケージソフトの多くを、大学生協を通じて割り引き価格で購入できます。 また、マイクロソフトオフィスと互換性の高いフリーウエア(無料のソフトウエア)がインターネットからダウンロードできます。既にマイクロソフトオフィスを持っている方も、これを機会にダウンロードしておくことをおすすめします。
《ネットワーク環境》 自宅がインターネットに常時接続されていると、クラスメートと共同作業する時など非常に効率よく進めることができます。現に、大学院生のうちかなりの人数が常時接続環境を整えています。 |
福利厚生 ・財政援助 |
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奨学金制度はどうなっていますか? |
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次のページをご覧ください。
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学生寮はありますか? |
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《日本人学生の場合》
大学から歩いて5分ぐらいのところにある「小石川寮」が日本人用の宿舎です。 《外国人留学生の場合》 東武東上線大山駅最寄りの「お茶の水女子大学国際学生宿舎 」(「大山寮」)が留学生向けの宿舎です。 次のページは大山寮に入寮している留学生が2001年に自主的に作ったもので、大学が内容を公認・保証しているものではありませんが、あるいは何らかの御参考になるかもしれません。
入寮申し込み者が多数の場合、財政状態・宿舎の必要性などの条件を考慮したうえ選抜が行なわれます。詳しくは学生課に問い合わせてください。 なお、どちらの寮に入居しても所定の手続きをとればインターネットに常時接続することができます。 |
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子供を連れて通学することはできますか? |
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現在、学内に有料の保育所(「いずみナーサリー」)が開設されています。また人間文化研究棟の一階にはベビーベッドつきの授乳室(ベビールーム)があります。 |
修了後の進路/博士後期課程 |
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就職先に関する情報はどうやって入手したらいいでしょうか? |
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お茶の水女子大学の日本語教育コースには、国内外の様々な日本語教育機関から公式/非公式に求人情報や教員紹介依頼が寄せられてきます。現に、その紹介で就職を決めた修了生も少なくありません。 しかし、そういったルートだけに頼り切るのではなく、自分でも積極的にインターネットや印刷媒体その他の経路を通じて就職情報を探索することをお勧めします。アンテナの広がりと粘り強さは就職活動において不可欠です。 それとともに、いざ機会が訪れた時に、それを受けるか断るか迅速に決断ができるような物心両面の準備を普段からしておくことも大切です。特に教育関係の人事は、場合によっては数日間のうちに決定を下さなければいけないことも珍しくないだけに、いつまでも迷って自分の都合で返事を引き延ばすわけにはいきません。どうしても踏ん切りがつかない場合は速やかに他の人に機会を譲る潔さがないと次回からは敬遠され、それ以降のチャンスも逃してしまいかねません。 |
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修士課程を修了した後、博士後期課程に進みたいと思っています。希望者は全員入学できるのでしょうか? |
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博士後期課程進学にあたっては、学内からの進学希望者も学外からの応募者と同一の基準に照らしあらためて入学試験を行ないます。他学科の教員を含めた審査員が修士論文研究の内容や今後の研究計画を詳しく審査しますので、全員が入学できるとは限りません。 |
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博士論文では過去にどのようなテーマがとりあげられているのでしょうか? |
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次のページを参照してください。
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その他の質問 |
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お茶大日本語教育コースの現況をもっと詳しく知るためには、どうすればいいでしょうか? |
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在校生や修了生と知り合いになって話を聞くためには、例えば次のような学内研究会/学会/発表会に参加なさるとよろしいでしょう。
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研究生・科目等履修生・聴講生になるにはどうすればいいのですか? |
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研究生を希望する方は、遅くとも申し込み締め切りの3週間前までに受け入れを希望する教員にメールで連絡し指示を受けてください。その他、詳しくは次のページをご覧ください。ただし、留学生の場合、研究生の出願の締め切りが日本人学生よりも早いので、直接国際交流課に問い合わせて確認してください。
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研究生になることを申し込んだら必ず受け入れてもらえるのでしょうか? |
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現有の研究生の数や教員の担当状況によっては、お断りせざるをえない場合もあります。 |
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研究生に申し込んで断られたら、もう入学のチャンスはないのでしょうか? |
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そんなことはありません。入学試験では研究生経験の有無に関わらず、同じ基準に照らして合否が判定されます。
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留学生が大学院に入学するためには、その前に研究生になることが必要ですか? |
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研究生経験の有無は、入試判定では全く考慮されません。最初から大学院の入試を受けて合格した留学生もいます。 |
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大学院に入学するためにはどのぐらいの日本語能力が必要ですか? |
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一般に日本で人文系・社会科学系の高等教育を受けるためには、最低でも日本語能力検定試験1級合格程度の日本語能力は必須だといわれています。もちろん検定試験だけで全ての日本語能力がまんべんなく測れるわけではありませんが、1級試験の合格が難しいようでは授業を理解し予習・復習や課題をこなすのはまず無理です。したがって、研究生を受け入れるにあたってもその程度以上の日本語能力は必要条件であると考えています。 |
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出身国別の合格者定員は決まっていますか? |
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国別の定員枠はありません。過去の例をみても、留学生の国別うちわけは年によってかなり異なります。 |
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外国人留学生に対しても外国語試験が課されるのですか? |
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2005年度入試より、外国人留学生に対しては外国語試験が免除されることになりました。ただし、外国人は日本語能力を問う試験を受ける必要があります。 |
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海外からお茶の水女子大学に留学するための条件・手続き等について教えてください。 |
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国際教育センターの次のページを御参照ください。 |
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日本に留学する手続きを完了するためには、本人または近親者が書類を入国管理局に持参しないといけないそうですが、その手続きを頼める親戚が日本にいません。手続きを代行してくれる業者はあるでしょうか。 |
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留学手続きの代行を専門とする、外国語堪能な行政書士が開業しています。大学として特定の書士事務所を紹介することはできませんが、インターネットで検索すればいろいろな事務所のホームページをみつけることができます。 |
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私は現在、自国の大学の最終学年に在学しています。4月には既に卒業に必要な単位の履修や卒業論文提出が終わっている予定なのですが、私の国では大学卒業は6月なので、それまで書類上はまだ「在学中」の身です。こういう場合、秋まで待たないと研究生になれないのでしょうか。4月から研究生をはじめる方法があれば教えてください。 |
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研究生は入学時点で大学卒業資格を有することが必要なので、残念ながらご意向には沿えません。ただし、大学卒業前でも本学の科目等履修生として勉強をはじめることは可能です。科目等履修生として所定の単位数の科目を履修すれば学生ビザを申請する資格が認められます。その場合、科目等履修生としてビザを申請する手続きを大学がサポートすることはできないので、入国管理に関する全ての手続きを自分でおこなってもらう必要が生じます。 |
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留学生が日本語でレポートや論文を書く際、言語面のサポートはしてもらえるのでしょうか? |
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短いレポートであれば、留学生相談室で不自然な表現などのチェックを受けることができます。相談室の係員には日本語教育コースの学生が多数いますので、専門的な内容を理解した上で日本語表現の点検をしてもらうことができます。 修論などの長文の論文は、クラスメートに目を通してもらうのが慣例です。この場合、相手のスケジュールに合わせられるよう締めきり前に充分な時間の余裕をもって依頼してください。 |