ドイツ研修出張(プレグローバル研修 2017年2月)報告

2月19日~26日の間、第三期生7名がドイツに出張しました。引率は高柳特任教授、紺屋特任講師、池田AAが同行しました。
本プログラムでは、「グローバル研修Ⅰ・Ⅱ」として海外や企業でのインターンシップを推奨しており、三期生達は今後二度の学外研修を迎えることになります*。これらを実施する前に海外の産官学を体感する機会を計画し、今回は渡航先としてドイツを選びました。
*) 原則として各履修生が自主的に研修先を見出します。

訪問先は Heidelberg大学、Saarland大学、Wuppertal大学、Max Planck Institute 固体物性研究所、Siemens、Daimler、SAP、Lanxessの産官学8か所とDeutsche Museumです。雪の影響もなく、高密度のスケジュールを計画どおりに進めることができました。

歴史ある大学や最先端の研究設備、開発・製造現場を見学し、第一線の研究者・技術者と意見交換したことで、履修生達の「グローバルに活動する博士」への認識が深まり、研修先候補の具体化にもつながりました。

出張のトピック

Siemens (Munich)
ドイツを代表する総合企業.展示館にて、情報通信や発電などへの歴史的貢献、交通・生産設備関連での技術、クリーンエネルギー・電力などの最新技術など幅広く解説いただいた。

Daimler (Stuttgart)
メルセデス・ベンツ(Sクラス)の組立て工場内を見学。部品や溶接・塗装などの説明後、多数のロボットが稼働するボディ組立てやシャーシの取付け等の自動ライン、熟練工が担当する多品種ライン(ドア取付けなど)の見学など。排水・廃棄物の管理の説明もあった。

Max Planck Institiute 固体物性研究所
ドイツ国内各地に施設を持つ基礎研究所。Stuttgartでは最新のSEM、TEMやトンネル効果顕微鏡などの機器設備について詳細に説明いただいた。

Heidelberg University
郊外の新キャンパスで物理学部の幅広い研究・教育内容のプレゼン。旧市街の主キャンパスに移動して博物館(大講堂、歴代ノーベル賞受賞者の説明、学生牢など)の見学。

SAP
ビジネスソフトウェア会社の代表的存在。会社が成長して一つの町を形成するに至った。
現在はビッグデータの利用にも重点があり、情報系の大学院生には特に魅力的な説明あり。

Saarland University
ドイツではIT系の最先端といわれる大学。各種ロボット・人工知能などの研究が進んでおり、Max Planck や Fraunhofer などの研究所が隣接している。

Wuppertal University
国際化を重視する総合大学で国外に50以上の協定校があり、留学生を多く受け入れている。本学との連携あり。
今回の訪問に関する、Wuppertal大学でのプレスリリース

Lanxess
大聖堂で有名なケルンに近いLeverkusen市にある広大なChemPark(化学品製造地域)にある大手特殊化学品会社で、皮革製品の加工技術について実地に説明いただいた。

ミュンヘン
ドイツ有数の大都市でIT企業が多く活動している。ドイツやEUの特許庁がある。
ドイツ博物館は科学技術の展示が豊富・高水準なことで有名。閲覧経路は20kmに及ぶという。本学副専攻プログラムの「幅広く理系基礎を身に付ける」趣旨にも沿ったもので、館内にはミュンヘン工科大の研究室が点在している。

デュッセルドルフ
日本企業が多く進出しており、日本人居住者が多いことで有名。