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客員研究員として本学に滞在中であった、マサチューセッツ州立大学アムハースト校助教授・Amand.C.Seaman先生を講師にお迎えし、2008年6月27日、本学にて公開講演会を開催した。テーマは、「Two for One―現代日本女性文学におけるアイデンティティとしての妊娠」である。Seaman先生は、本学滞在中に、現代日本社会における妊娠・出産の表象について、ジェンダー研究の視点から日米比較研究に取り組んでおられたが、その成果として、今回の講演がもたれた。 講演で分析対象とされた作品は、長谷川純子『無精卵』をはじめとして、現代日本女性のキャリアとセクシュアリティを女性の視点から鋭敏に描いたもので、参加者にとって新鮮かつ刺激的な文学体験ともなった。現代日本女性のアイデンティティが、公的/私的領域の双方において、制度的な抑圧ならびに文化メディアの影響によって形成されることが明確に論じられた。 当日は、学内外から多数の学生の参加があり、教員もまじえて、活発な質疑応答がなされた。とくに、学生にとって、日本社会に内在する問題を外部の新鮮な視点からとらえることによって、その不可視化されていた側面が前景化されるという好例として、有意義な公開講演会となった。 【文責 菅 聡子】
(2009/02/04up)
(2008/07/17up)
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