「子どもの発達障害サポートブック」 
作成協力者募集
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学校や幼稚園、保育園での事例を募集します!

このサポートブックは
現場の先生方が日々積み重ねている実践を数多く集めて編集されます




 子どもの対応で悩む先生方が、試行錯誤する時、なるべくたくさんの事例を参照することで、子どものとらえ方に柔軟性が生まれます。子どもを柔軟に見ることができるということは子どもとのかかわりを広げることになります。また、色々な対応方法を試してみることで、その子どもの特徴をつかんでいくことにもつながります。

 「子どもがこんなことをした時、こんなふうにかかわったら上手く解決できたよ」など、かかわり方のエッセンスをたくさん集め、検索しやすい形で提供します。実際に子どもの対応で悩んでいる先生方のかかわり方のバリエーションを増やすことを目的として、このサポートブック作成プロジェクトを始めます。

 授業場面、給食時、掃除の時間、休み時間や登下校時などにみられた子どもの気になる行動と、それに対して有効だったかかわり方を広くお寄せください。




■プロジェクトのご説明■
 本プロジェクトは、アメリカの教室で多くの教師が子どもの「問題行動」「学習困難」場面に遭遇したときに参照しているPRIM(Pre-Referral Intervention Maunal)の日本語版サポートブックを作成するために始まりました。
 PRIMはアメリカの学校における児童生徒の問題行動や学習困難に対して、多くの教師が試行錯誤の結果として蓄積してきた多様な対応法を集約したものです。本プロジェクトでは、全国の多数の幼稚園、保育所、小学校などの先生方にモニターとして参加していただき、日本の子どもの問題行動のコード化を行い、さらにそれに対する多数の対応法を、質問紙およびインターネットを活用したプラットフォーム上で集積し、日本語版サポートブックを作成します。
 (本プロジェクトは、文部科学省科学研究費助成事業基盤研究(C)「米国PRIMの検討と日本版PRIMの作成(研究代表者:榊原 洋一)」の助成を受けています)

《米国PRIMに掲載されている問題行動例》 
  
 199 教室での決まりに従わない 
 200 教師が(教室に)到着するまで、きちんと待っていられない
 201 教師が援助や注意を受けるまでの間、きちんと待っていられない
 202 学校に関係する物を適切に使用しない
 203 他の生徒の物に適切に(丁寧に)扱わない
 204 (手を挙げることが)ふさわしいとされる場面で、手を挙げない
 205 学校への行き帰りで、不適切な行動をする



■米国PRIMに実際に掲載されている問題行動の例と、それに対応する19例のかかわり方■
(米国PRIMより和訳の上、抜粋)


「整理できない」という行動に対する対応事例

1. 道具の整頓と適切な使い方の手本を示す(例:他のものを出す前に片付ける。すべてのものに所定の場所を作る。整頓された机を維持する。一日の予定に従う)

2. 整頓や適切な使用ができなかったとき、その後に起こる自然な結果を体験させる(例:作業時間内に終わらなかった活動は、レクリエーションの時間に埋め合わせる。管理できなかったものは、なくすか使えない)

3. 予定に支障がないかぎり、作業が終わるまでやらせる

4. 生徒への指示や説明の質と明確さを評価する

5. 特定の活動で、必要な道具を持っているか確認するため、他の生徒を指名して、一緒に作業をさせる

6. 毎朝出かける前に「全部持っているかな?」と、自分に問いかける習慣をつけるよう促す

7. 必要な道具を、作業する特定の場所に置いておかせる

8. 生徒に合った整頓の方法を探す手伝いをする(例:科目ごとのフォルダー、ノートにタブをつける、チェック表)

9. 生徒の進歩について、保護者とコミュニケーションをとる(連絡帳、電話等)。学校での作業の準備や整理を、家庭で援助してくれるかもしれない

10. 重要な用事や締め切り、宿題などを忘れないために、月ごとのカレンダーを作る

11. 言い訳を聞かない。理由の如何にに関わらず、宿題の未提出やペンの紛失などの責任は、生徒自身がとると理解しなければならない

12. 特定の活動の準備や整理をした回数を表に記録させる

13. 生徒に自分自身や周囲に意識を向けるよう促す。少し距離をおいて「この宿題には何が必要だろう?」「宿題を正しいフォルダーに入れたかな?」と自分自身に尋ねるように指導する

14. 整頓の質のレベルを5段階の表に作らせる。5週間にわたって、毎週取り組むレベルを選ばせる

15. 特定の活動に必要な道具を一緒に保管するよう促す(例:体操服を体操袋に入れて車に置いておく。すべての学校関連の道具をカバンに入れてドアの近くに置いておく)

16. 気を散らす刺激を減らす(例:最前列の席につかせる、気を散らすものから離れた個人机や静かな場所を与える)これは、罰としてではなく、気を散らす刺激を減らすために使う

17. 自分自身で毎日やることを管理させる。これにより整理した責任を負うことへのモチベーションをあげる

18. 学校などに持っていくものを決められた場所に置くよう促す(ドアの前、階段の下など)

19. 学校で宿題や持ち物などの整理を援助するために、色々な人を指名する(カウンセラー、補助の先生、他の生徒など)




■モニター参加について■
 本プロジェクトで完成を目指しているサポートブックは、先生方が実際に対応した事例を数多く集める必要があります。そのため、子どもと実際にかかわる多くの方々のご協力が必須です。
 モニターに参加し、事例を投稿して頂いた方には、、本プロジェクト終了時(2013年度末)に発行予定の「子どもの発達障害サポートブック」を進呈させていただく予定です。

【参加資格】 子どもと実際にかかわっている、もしくはかかわっていたことがあり、対応事例の投稿が可能な方

【募集事例】 教室などで遭遇した子どもの問題行動などにどう対応したか、またその結果、その子どもの行動がどう改善したが、といった対応事例を、上記の例文のように短い文章で記述してください。

【事例の投稿方法】 事例は年数回お送りする記入用紙に記入いただき、FAXもしくは返信用封筒でご返送いただきます。また、事例投稿用のwebページを開設いたしますので、そちらからの投稿も随時受け付ける予定です。

【個人情報】 投稿いただく事例に、個人情報(イニシャル等)は含めないでください。また、投稿いただいた事例については、サポートブック作成と本研究に関する報告以外には使用いたしません。
 サポートブック作成にあたっては、個人情報が特定できない形での掲載となるよう、十分配慮いたします。




■参加方法■
  FAXもしくはE-mailにて、下記プロジェクト事務局までご連絡下さい。折り返し、参加受付のご連絡と事例投稿用サーバーアドレス、ID、パスワードを郵送もしくはFAXかメールでお送りいたします。申込期限はなく、随時受け付けております。
 また、郵送での投稿をご希望される方には、事例記入用紙と返信用封筒をお送りいたします。

【記載事項】 
 @モニター参加者氏名 
 A所属 
 B職名 
 C年齢 
 D記入用紙、進呈本などの送付先住所  
 Eメールアドレス(無い場合は、FAX番号) 
 F希望する投稿方法(郵送もしくはwebページのどちらか)


【申込先】
お茶の水女子大学 榊原研究室
FAX: 03-5978-5477
E-mail: saka-labo★cc.ocha.ac.jp (★は@に変更してください)

 ※お申込受付の返信は、4,5日中にいたします。1週間が経過をしても返信がない場合は、大変お手数ですが、再度ご連絡をください。

◆事例投稿用webページおよび、
事例記入用紙は、現在制作中です。(10月中に完成予定)

◆今、お申し込みをいただいた方には、
webページ・事例記入用紙が完成次第、ご連絡いたします。


◆協力者募集チラシは、こちら



■ご連絡・お問い合わせ先■
お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科 榊原洋一研究室 担当:長谷川
TEL/FAX:03-5978-5477  
e-mail:saka-labo★cc.ocha.ac.jp (★は@に変更してください)