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日仏共同ゼミナールと日仏共
同シンポジウムの報告 |
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このたび、フランスのブレーズ・パスカル大学哲学科に所属する5名の
先
生方をお招きして、共同でゼミナールとシンポジウムを行いました。これは、本年3月、フランス、クレルモン・フェランのブレーズ・パスカル大学において行
われた共同シンポジウムを更に発展させ、今後、本学とブレーズ・パスカル大学の連携をさらに強化させるための企画で、本イニシアティヴの重要な目的であ
る、大学院教育の国際化を担う中核的プログラムの一つと位置付けられます。
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12月8日(金)には、フランス人の先生方にご出席いただきまして、
日仏の共同ゼミナールを開催しました。授業は基本的には、英語で行われました。三浦謙先生が、先生のゼミ生たちとともに、ジャフロ先生、プティ先生と、
ヒュームのテキストを講読しました。また、高島元洋先生と頼住が、ゼミ生とともに、エリザベート・シュワルツ先生、イヴ・シュワルツ先生、カタン先生と、
西田幾多郎『善の研究』を講読しました。『善の研究』の仏訳、英訳などを参照しながら、それぞれ意見交換をし、西洋近代哲学の西田哲学における受容、フラ
ンスにおける西田をはじめとする東洋哲学への関心などについて、貴重な知見を得る事ができました。込み入った話については、フランス語に堪能な先輩の通訳
の助けを借りつつも、西田哲学に関して、英語で共同討議を行いました。
フランスの先生方は、日本の大学院生と話すのははじめてでいらっしゃいましたが、西田哲学を通じて、東西の学術交流が、今後可能であるという確かな手ごた
えを感じられておられたようです。また、本学大学院生にとっても、フランス人の先生方との質疑応答、意見交換をするという貴重な機会が与えられ、今後、自
らの研究を国際的な視野で考えるという動機づけがなされたと思いました。
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カタン教授
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Y.シュワルツ
教授
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高島元洋教授
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プティ教授
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翌日、12月9日(土)には、外部の方々も多数参加して、午前、午後
と、日仏共同シンポジウム「言語と思想」を、本学比較日本学研究センターの主催にて開催いたしました。シンポジウムの使用言語は、基本的には英語・フラン
ス語でした。まず、羽入副学長の、開会と歓迎の英語のご挨拶からはじまり、フランス側からは、エリザベート・シュワルツ先生、カタン先生が、英語で御挨拶
をなさいました。次に、イブ・シュワルツ先生が、エルゴロジー(動態学−労働における人間性の回復をさまざまな角度から探る新しい哲学)に関して、パワー
ポイントと使用しながら講演をしてくださいました。その後、「言語と思想」というテーマに関連して、日本思想研究をしている、頼住と小濱聖子さん(本学博
士課
程国際日本学)、石崎恵子さん(同)が、それぞれ、日本仏教、禅、西田幾多郎をてがかりとして発表を行いました。
午後は、フランス側から、カタン先生、エリザベート・シュワルツ先生、ジャフロ先生、プティ先生が、やはり、「言語と思想」という共通テーマに関連し
て、
マイスター・エックハルト、ヴィトゲンシュタイン、シャフツベリとストア派、プロティノスに依拠して発表をしました。最後は、中村俊直先生が、ヴァレリー
について、テーマに関連した御発表をなさいました。どの発表も質疑の議論が白熱したため、終了予定時間を大幅に超過してしまいました。最後は、高島先生
と、本シンポジウムのコーディネーターをつとめたロール・シュワルツ先生のご挨拶で閉会しました。
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頼住助教授の発
表
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小濱聖子さんの
発表
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石崎敬子さんの
発表
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このシンポジウムには、哲学、倫理、日本思想を専攻する本学大学院
生、
学部生が多数参加しましたが、感想としては、「英語での発表や質疑を聞き、とても学ぶところが多かった」「英語での聞き取りが難しかったので、これから
もっと勉強をしていきたい」「今後、自分の研究を国際的な場で発信することの重要性を教えられた」などという意見が多く寄せられました。学生たちのよい刺
激となったことは、企画した私どもにとって、うれしいことです。また、この共同ゼミやシンポジウムでは、学生が英語で司会をしたり、積極的に英語で質問し
たりするなど、国際会議、シンポジウムの実際を、主体的、実践的に体験できたことは意義深いことであったと思います。
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特定質問者からの質問を受ける
E.シュワルツ教授
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ジャフロ教授の
発表
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中村教授の発表
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今後も、さらにブレーズ・パスカル大学との連携を通じて、日仏の学術
交
流を発展させ、本学の大学院教育の場に生かしていきたいと願っております。
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シュワルツ=アレナレス助教
授の閉会の辞
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(文責:頼住光子) |
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