氏名

張 晋イ

修了年度

2010年度(2011年1月提出)

修士論文題目

台湾人上級日本語学習者の「そう系」相づち使用
−情報の縄張りの概念に基づいて−

要旨

(500字以内)

 情報の縄張り概念から、学習者の「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題1で学習者の「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題2で学習者の自然な「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題3で学習者の不自然な「そう系」相づち使用の傾向を見た。結果:Cの「そう系」相づちが学習者によく使用されていて、不自然な使用も最も多かった。また、学習者は各場合に、主に基本形(「のだ」を含まない)の「そう系」相づち形式を使っていることが分かった。学習者は「のだ」を含む「そう系」相づちをあまり使わないことも明らかになった。学習者に最も使えなかった「そう系」相づちは、文末に終助詞「ね」、「よね」を含むBの「そう系」相づちである。その後は文末に「か」を含むAの相づちである。そして、学習者の不自然な「そう系」相づち使用傾向は、93%が相手の縄張りにある情報を自分の縄張りにある情報として扱っているという結果が見られた。これは母語の台湾の「国語」による影響が大きいことが分かった。「そう系」相づち指導への示唆について、日本語の縄張り概念の認識について指導を行っていくことと、具体的に「そう系」相づちの文末詞がどのような情報の縄張り関係を表しているのかを指導することである。

要旨

(1000字以内)

 学習者の相づち使用の研究では、特に学習者の「そう系」相づちの問題が取り上げられている。「そう系」相づちは学習者にとって特に難しいことが予想される。しかし、これまで学習者の相づち使用についての研究は多くあるが、学習者の「そう系」相づち使用に焦点をあてた研究について、管見の限り見当たらないため、学習者の「そう系」相づちの使用の全体像を見ることは難しい。本研究では、情報の縄張り理論の概念から、JFL環境における上級日本語学習者の「そう系」相づち使用の使用実態を明らかにした。学習者の「そう系」相づちの使用実態を明らかにすることにより、相づち指導への示唆を得た。
 本研究の分析枠組みは、<情報の縄張り>概念のA、B、C、Dの縄張りの場合を用いた。データはJFL環境の上級台湾人学習者と日本語母語話者の二者間自由会話、計23組である。情報の縄張り概念から、学習者の「そう系」相づち使用における自然及び不自然な使用の傾向を見た。研究課題1で学習者の「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題2で学習者の自然な「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題3で学習者の不自然な「そう系」相づち使用の傾向を見た。研究課題1の結果は、Cの「そう系」相づちが学習者によく使用されていて、不自然な使用も最も多かった。研究課題2の結果として、学習者は各場合に、主に基本形(「のだ」を含まない)の「そう系」相づち形式を使っていることが分かった。学習者は「のだ」を含む「そう系」相づちをあまり使わないことも明らかになった。研究課題3の結果として、学習者が最も使えなかった「そう系」相づちは、文末に終助詞「ね」、「よね」を含むBの「そう系」相づちである。その後は文末に「か」、「(か)ψ」を含むAの相づちである。そして、学習者の不自然な「そう系」相づちの使用から、学習者が相手の縄張りに入っている、あるいは、相手の情報の縄張りを無視しているような結果が見られた。学習者の不自然な「そう系」相づち使用傾向は、93%が相手の縄張りにある情報を自分の縄張りにある情報として扱っているという結果が見られた。これは母語の台湾の「国語」による影響が大きいことが分かった。
 本研究では、台湾人上級日本語学習者の「そう系」相づち使用傾向から、日本語教育における「そう系」相づち指導への示唆を得た。まず、日本語の縄張り概念の認識について指導を行っていくことである。次に、具体的に「そう系」相づちの文末詞がどのような情報の縄張り関係を表しているのかを指導することである。
最終更新日 2011年4月1日