労働・家族班からは、来年度の量的調査を念頭においたプレ調査として、「女性のキャリア形成と家族、男性の家事・育児参加」をテーマに、女性を中心に働いている方々、および企業に対するインタビュー調査を行った。子育て期の働き方の調査としては当学附属校の父母に対しアンケート調査を行った。発達心理班は、ワーク・ライフ・バランスと子育て期の家族の関係をQuality of Lifeの視点から考察を行った。法政策班は、韓国・フランスの海外事例研究を中心に報告。ロールモデル班は福井県の女性活躍社会の取り組みについてのアンケート調査結果についての報告があった。
ミラー先生の研究領域は、家族理論と家族の危機である。
Work and Family Balanceについて講義するというより「刺激」をキーワードに討論したいとの意向から、まず、クイズ形式で、アメリカのWork and Family Balance(WFB)に関する現状を紹介した。
アメリカでは
・家庭の50%が離婚を経験しており、その片方は85%の確率で再婚していること。
・計画しない妊娠が妊婦の5割を占めること。
・現在6歳未満の子どもの8割が18歳まで単親世帯にいると予想されること。
・アメリカの労働人口の50%は女性であること。
・10代の若者の3分の1が20歳になる前に少なくとも1度は妊娠していること。
・米国では法定の有給休暇はなく1993年の立法でようやく病児や病欠による無給休暇が法定で認められたが、それも50人以上を雇用する企業に限られており、有給で病欠をとれる者は、労働者の半数程度であること。
さらに、Work and Family Balanceのバランスの概念についての説明と、それに影響する要因の複雑性や相違性について述べられた。