[ Japanese / English ]
物理学は,自然界に存在する物質の本質を解明しようという学問です.現在では, 実験研究と理論研究とが分かれており,本研究室は理論物理学を専門としています. 理論の中がさらに分かれますが,私の研究室では
- 統計物理学
- 量子物理学
が研究の対象です.統計物理学は多数の構成要素から成る系を問題とします.素粒子 ,原子核,原子,分子という構成要素それ自身の性質が分かっても,多くの原子から 成る集団の振舞いは簡単ではありません.原子と原子の間に複雑な相互作用が働けば ,個々の原子の性質からは想像もつかないような現象が現れるのです.たとえば,超 伝導,超流動といった,我々の常識を超える現象の解明には長い年月がかかっていま す.さて,超伝導が典型ですが,もう一つ,重要な要素があります.それは,量子性 とよばれます.ミクロなレベルから物質の性質を研究する際には,量子的アプローチ を欠くことはできません. では,具体的な研究テーマを書き並べてみましょう.
- 非平衡量子系 ― 物理系の外部からエネルギーを注ぎ込むと,平衡を遠く離れた状 態が実現されます.(例)レーザーにおける自己組織化.原子レーザー.
- 量子緩和現象 ― 注目している物理系が大きな系(熱浴)と相互作用を行い,エネ ルギーや量子系に特有な性質(コヒーレンス)を失います.そのメカニズムの解明. (例)ミュー中間子を使った実験の理論的解明.量子系のディコヒーレンス.
- 量子通信理論 − 光を量子(光子)として扱い,光子を信号伝達に使います.(例 )量子通信と量子暗号.
- 基礎的量子現象 − ミクロな世界の現象であるトンネル効果は,系を大きくしてい くとどうなるだろうか.(例)量子の検出.調和環境中に置かれた原子のコヒーレン スの崩壊過程.量子コンピュータの誤り訂正.
- 信号検出理論 − ノイズに埋もれた中から信号を検出して正しい情報を得るにはど うしたらよいでしょうか,という問題.(例)電送線路を伝わる信号の解析.
私の研究室には,特徴のある大学院学生が多く,この外にも,脳波測定による心理 分析,ニューラルネットワーク,確率共鳴現象など,多彩なテーマと取り組んで研究 を進めています.
【大学院生・卒研生】
【キーワード】
量子非平衡系; 緩和現象; 基礎的量子現象; 信号検出理論; 量子通信理論
【照会先】
お茶の水女子大学 理学部 物理学科
〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
E-mail: shibata@phys.ocha.ac.jp Phone: 03-5978-5320 (居室) Fax: 03-5978-5326 (研究室)
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