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海外大学院とのジョイント教育  2006年度実施報告
文 学における日本的表象
お茶の水女子大学 &台湾大学

 台湾大学 とのジョイント教育は、台北にある台湾大学を会場として9月19日から21日まで3日間にわたって実施された。台湾大学では新学期開始の時期にあたり、大 学院生7名、他に10名程の学生が部分的に参加した。諸先生方は御多忙の中、やりくりして各発表に2,3人ずつ参加していただいた。お茶の水女子大学から は市古夏生・大塚常樹両教授と6名の大学院生が参加した。ゼミの発表テーマはいちおう「文学における日本的表象」とし、時代は近世及び近現代に設定した が、台湾大学の院生には、言語学的研究や文化的な研究なども含めていいこととした。使用言語は日本語とし、発表原稿を配布資料とすることを原則とし、通常 の資料配布の場合でも、理解しやすい形式するようにした。

  大学院生が両大学とも6名ずつ、計12名の発表が行われ、それぞれが聞き応えのある内容であった。質疑応答もなされたが、台湾大学の院生が不慣れであった ことと、日本文学を対象とする発表のせいか、日本人の研究に対して質問することを躊躇っているように見えた。司会を教員が務めたことなどを含めて、もう少 し工夫する必要があったと思われる。
 そうした反省事項はあるにせよ、相互に研究内容を理解し あえたこと、19日のゼミ終了後に台湾大学の御厚意のもと、教室で軽食をとりながら懇談をし、国際交流を果たしたことは、ジョイント教育の大きな成果であ り、成功裡に終了した。ご協力いただいた台湾大学の主任趙順文先生、お茶の水女子大学のOGである趙姫玉先生、范淑文先生、その他の諸先生方に感謝申し上 げる次第です。
 なお、市古教授は1日目に17世紀の出版文化事情につい て、大塚教授は2日目に宮沢賢二と草野心平の詩に関して講演を行った。

9 月18日(月) お茶の水女子大学の8名が出発し、午後に台湾台北市に到 着。
宿 舎にて台湾大学の趙主任等と打ち合わせを行う。


9 月19日(火) 台湾大学にてゼミ。9時30分より趙主任及び市古の挨拶。
その後、市古の講演と1名30分のゼミ発表。

渡邊さやか 国際日本学専攻1年 『本朝水滸伝』試論
李欣倫 台湾大学院生 『吉備津の釜』における賢妻から怨霊への変貌
山名順子 国際日本学専攻3年 江戸時代における金魚と小説
林科成 台湾大学院生 空間概念の「手」について
保科綾香 言語文化専攻1年 太宰治の桃太郎(『御伽草紙』)
鄭瞬瓏 台湾大学院生 「狼疾記」における新たな解釈

この後、懇談会を催し台湾大学学生 との交流をはかる。



9 月20日(水) 台湾大学にてゼミ。9時30分より大塚の講演とゼミ発表。

菅原真以子 国際日本学専攻2年 中上健次「修験」にみる熊野表象とその利用
陳羿秀 台湾大学院生 日中両国における遊里生活の比較について
村木佐和子 国際日本学専攻2年 三島由紀夫『金閣寺』
劉宛g 台湾大学院生 近代文学における〈変身〉―太宰の『魚服記』

 ゼミ終了後、台北市内の道教寺院を見学し、宗教に関わる民俗を実見する。


9 月21日(木) 台湾大学






藤川玲満 国際日本学専攻3年 東海道の名所案内記について
池田晶子 台湾大学院生 まどみちおーその人と作品の特徴
総括

 ゼミ終了 後、故宮博物館で中国の文物を見学。夕刻、台湾大学図書館に入館、その後に台湾大学の教員5名とお茶の水女子大学8名とが会食し、先生方との交流をはか る。



9月22日 (金)

帰国


開会の挨拶をする市古教授

院生のゼミ発表風景




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Last Modified 2006/10/27     責任 者:古瀬奈津子 担当者:久米彩子