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国際日本学コンソーシアム


日 本学における対話と深化

2006年12月15日 (金) 〜 17日(日)




 このコンソーシアムは、魅力ある大学院教育イニシアティブ<対話と深 化>の次世代女性リーダーの育成(人文社会系)の一環で開催されたもので、世界各地における日本学研究の拠点である6大学と本学の教員・大学院生が一堂に 会し、対話と深化をキーワードに、日本学研究および教育の世界的ネットワークを構築する第一歩を踏み出そうとするものであった。
 昨年度から本学と日本学コンソーシアム参加大学との間で国際的なジョイント教育(ゼミ)が行われてきた。
2006年2月:同徳女子大学とジョイントゼミ(日本語教育学、於:同徳女子大学)
2006年2月:淑明女子大学とジョイントゼミ(日本文化、於:淑明女子大学)
2006年3月:カレル大学とジョイントゼミ(日本文化、於:カレル大学)
2006年9月:北京日本学研究センターとジョイントゼミ(日本語教育学・日本語学、於:北京日本学研究センター)
2006年9月:台湾大学とジョイントゼミ(日本文学・日本語学、於:台湾大学)
2007年1月:北京日本学研究センターとジョイントゼミ(日本文化、於:北京日本学研究センター)
2007年1月:SOASとジョイントゼミ(日本文化・日本文学、於:SOAS)
 また2005年度3月には、本学において国際日本学コンソーシアム結成のための予備会議が行われた。今回はこれらの成果と準備の上に、コンソーシアム参 加 7大学が本学に一同に会し、国際日本学コンソーシアムが開催された。これを第一歩として、参加大学が相互により緊密な協力関係を樹立し、21世紀における 日本学研究・教育の国際的連携をより一層推進することをめざしていく。



第 一日 12月15日(金)
11:00〜12:00 打ち合わせ(本館第二会議室)
13:00〜17:30 日本語学・日本語教育学部門 国際ジョイントゼミT
          (教室:人間文化研究科棟6階大会議室)
国際ジョイントゼミは、日本と海外の大学院生による研究発表に対し指導を行うもので、李徳奉(同徳女子大)、趙順文(台湾大)、曹大峰(北京日本学研究セ ンター)、高崎みどり(本学)、佐々木泰子(本学)、森山新(本学)などの教員が指導教員として参加した。
研究発表では、森山が司会を行い、以下の7名の発表があった。
1. 星野 祐子(本学)「日本語相談談話の談話分析」
2. 林 科成(台湾大)「認知言語学から見た「手」に関する一考察」
3. 孫 愛維(本学)「第二言語および外国語としての日本語学習者における非現場指示用法の習得」
4. 楊 虹(本学)「中日接触場面のグループ討論における成員の参加のし方」
5. 金 賢熙(同徳女子大)「韓国の聾学校における日本語教育の実態と課題」
6. 申 恩浄(本学)「日本語学習者の個別性の働き−心理類型要因を中心に−」
7. 趙 蓉(本学)「日本語のニ格についての研究−中国語との対照を兼ねて−」






19:00〜21:00 郷通子学長主催歓迎レセプション
ホテルベルクラシック東京にて、海外・本学からの参加者をお迎えし、郷通子学長のほか、柴田文明・羽入佐和子副学長、市古夏生大学院人間文化研究科長、古 瀬奈津子国際日本学専攻長らが参加する中で、学長主催歓迎レセプションが盛大に開催された。





第 二日 12月16日(土)
10:30〜12:00 パネルディスカッション(教 室:理学部3号館701教室)
日本学研究における国際的教育・研究ネットワークである国際日本学のさらなる発展のために、「日本学における教育・研究の国際協力の可能性について」を テーマとしてパネルディスカッションが行われた。本学小風秀雅氏が司会をつとめ、パネリストは、今回指導教員として参加した、李徳奉(同徳女子大)、趙順 文(台湾大)、朴晋雨(淑明女子大)、郭連友(北京日本学研究センター)、ダヴィッド・ラブス(カレル大)、ティモン・スクリーチ(SOAS)、森山新 (本学)、小風秀雅(本学)の8名であった。フロアとして参加した院生なども加えて、これまで2年間に開催されたジョイントゼミの成果と課題、今後の教 育・研究協力のありかたについて活発な討論が行われた。



13:30〜18:00 日本文化・日本文学部門 国際ジョイントゼミ U(教室:理学部3号館701教室)
指導教員としては、朴晋雨(淑明女子大)、郭連友(北京日本学研究センター)、ダヴィッド・ラブス(カレル大)、ティモン・スクリーチ(SOAS)、小風 秀雅(本学)各氏が参加した。
1. Alan Cummings(SOAS)「死も茶番か 鶴屋南北における死とユーモアの絡み合い」
2. 清水 恵美子(本学)「岡倉覚三のオペラ台本“The White Fox”(白狐)をめぐって」
3. 鄭 舜瓏(台湾大)「中島敦についての一考察」
4. Jana Ryndova(カレル大)「文学作品における義経伝説」
5. 陳 羿秀(台湾大)「日中両国における遊里生活の比較について」
6. 温 頴(北京日本学研究センター)「黄遵憲における明治維新観の転換−『日本雑事詩』の改訂をめぐって」
7. 芹沢 良子(本学)「日本統治期台湾におけるハンセン病対策」
8. 朴玟宣(淑明女子大)「1945〜1953年の"在日"マイノリティー運動研究−在日本朝鮮人連盟と沖縄人連盟を中心に−」

18:30-20:30 懇親会(大学食堂マルシェ)



第 三日 12月17日(日)
公開講演会「比較と交流―日本学における対話と深化」
今回指導教員としてご参加いただいた日本学各分野の専門の先生方6名の公開講演会が行われた。
 第一部 10:30〜12:30(教室:理学部3号館701教室)
 午前中は、森山が司会となり、日本語学・日本語教育学部門の2氏のご講演があった。 
「異文化理解教育と交流」 李徳奉(同徳女子大)
「漢字圏国家の文化交流における漢字ローマ字まじり文」 趙順文(台湾大)
第二部 13:30〜17:00(教室:理学部3号館701教室)
 午後は本学のシュワルツ氏、小風秀雅氏が司会となり、日本文化、日本文学部門の4氏のご講演があった。
「日本橋の図像学」 ティモン・スクリーチ(SOAS)
「横井小楠:感情と合理」 ダヴィッド・ラブス(カレル大)
「梁啓超と吉田松陰」 郭連友(北京日本学研究センター)
「開港期の釜山から見た韓日民衆の相互認識」 朴晋雨(淑明女子大)






(文責 森山 新)






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Last Modified 2006/12/22     責任 者:古瀬奈津子 担当者:久米彩子